「井泉」第57号(2014年5月)
歌誌「井泉」(編集発行・竹村紀年子)第57号(2014年5月)から。 招待作品に太秦女良夫(うずまさ・めらお)の俳句15句「飛花落花」。 リレー評論「現在の批評はどこにあるか」、今号は関悦史、さとうますみ。 特集は《春日井建没後10年「春日井建の1冊」》。碧眼の転入生や花水木 太秦女良夫(招待作品)今日の運勢「煩悩の魔力に要注意」庭木々に光(て)る大寒の陽よ...
View Article「新歳時記通信」第8号(2014年5月)
季語の徹底的な再検討を続ける前田霧人の個人誌「新歳時記通信」の第8号が届いたのだが、今回は「風」に関する季語の総集編のような内容で、A5判で195ページに及ぶという、個人誌としては信じがたい大冊。 いつ通読できるやらわからないので、とりあえず拝受したということだけ上げておく。...
View Article【十五句抄出】安井浩司句集『宇宙開』
2014年沖積舎 安井浩司『宇宙開』は、『汝と我』から始まる一連の「句篇」(『汝と我』『四大にあらず』『句篇』『山毛欅林と創造』『空なる芭蕉』)の最終巻という位置づけの句集。 本文243ページの5句組みなので、収録句は今回も1,000句以上。...
View Article【十五句抄出】筑紫磐井句集『我が時代 ―二〇〇四~二〇一三―〈第一部・第二部〉』
2014年実業公報社 筑紫磐井『我が時代 ―二〇〇四~二〇一三―〈第一部・第二部〉』は、『野干』『婆伽梵』『筑紫磐井集』に続く句集。本文131ページ、3句組み。 東日本大震災に際しての行動記録、散文等も収録。さういふものに私はなりたくないオクラホマの歴史はありやさほどなし犬を飼ふ 飼ふたびに死ぬ...
View Article北溟社編『新現代俳句最前線』
2014年北溟社 津高里永子さんから北溟社編『新現代俳句最前線』という分厚い本をもらった。 50代作家のアンソロジーらしく、参加者は以下の43人。...
View Article「円座」2014年6月号
「円座」(発行:武藤紀子、編集:中田剛・小川もも子)2014年6月号から。麓まで朝日のあたる雪の山 武藤紀子囀りのあらかたの入れかはりけり 中田 剛清正の烏帽子兜に散る桜 近藤直子大鳥居昏れなんとする鳥の恋 辻まさ野号外に石焼芋の包まるる 中山壹路 *****************************************************Dexter...
View Article「秋草」2014年6月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年6月号から。ひとつづつ蝌蚪うきあがりては流る 山口昭男人遠き母のたつきや葱の花みぎのすねひだりのすねとあたたかし 市川薹子つぎつぎと鳥の群来て彼岸かな 椹木雅代高つばめ急降下して口に虫 金中かりん *****************************************************吉増剛造さん(とともに)歩く、佇む
View Article「青群」第32号(2014年夏)
「青群」(発行:伊丹啓子、編集:伊丹啓子・小嶋良之・政成一行)第32号(2014年夏)から。 特集は『伊丹公子全詩集』。メロンに詩 苺に句を得て 尉姥(じょうとうば) 伊丹三樹彦(顧問作品)どこかには軍隊手帳 土用干し裏六甲 ほうと明るき花杏 坂本久刀(特別作品)明敏な光の手触り 午前の窓 伊丹公子春疾風 音叉となった枯木たち 伊丹啓子散る桜にも 素人あり 玄人あり 小嶋良之...
View Article「豆の木」No.18(2014年4月)
「豆の木」(編集・代表:こしのゆみこ)No.18(2014年4月)から。 20周年記念号。作品の他、句集評、紀行文等いろいろ。透明な傘をすべつてゆく秋よ 宮本佳世乃象のいた後の日溜り二月来る 守谷茂泰かたつむり風が満ちたら帰ります 吉川真実鉄棒の少女さかさま冬ぬくし 吉田悦花生きるとは蛸の足には動く疣 上田信治カステラのざらざら攻めてくる春眠 上野葉月折鶴は肛門で立ち秋暑し...
View Article【十五句抄出】尾野秋奈句集『春夏秋冬』
2014年ふらんす堂 『春夏秋冬』は尾野秋奈(1944 - )の第7句集。 「童子」入退会後、「船団」と「大(ひろ)」入会という経歴で、跋は坪内稔典。...
View Article石川美南×服部真理子「ノーザン・ラッシュ」vol.1
「ノーザン・ラッシュ」vol.1「爬虫類」(2014年5月)は、石川美南と服部真理子の二人がどこかへ出かけて短歌を作るという企画の冊子。 文庫判で16ページ。各20種を発表。500円。 服部真理子による爬虫類のイラストとコメント、石川美南のエッセイ「爬虫類カフェに行く」も収録。オビにカエルの形が切りぬかれているのだが、カエルは両生類であるという指摘はこの文中でなされているので無用。...
View Article「澤」2014年6月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2014年6月号から。 扉に「第五回田中裕明賞に榮猿丸句集『点滅』(ふらんす堂)の授賞が決定しました。」の文字。 後記によると、新潟大会で胴上げされる模様。わが身より大き魚呑み深海春 小澤 實春雷やうどんに落とすなまたまご早乙女を入れ皐月田となりにけり 高橋睦郎原発の見学コース蟹あるく 余村光世わが取柄惚れつぽいこと海鼠にも...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part12
脇田成『賃上げはなぜ必要か』は、何で企業が内部留保ばかり溜め込もうとするのかが素人でも一応わかる。その破壊的な事態を是正したくない富裕層が多いのだろうし、今後、政治・経済が正気の方向へ戻る気はしない。...
View Article【十五句抄出】宮崎斗士句集『そんな青』
2014年六花書林 宮崎斗士(1962 - )の8年半ぶりという第2句集。 帯=金子兜太。栞文=安西篤、塩野谷仁、柳生正名、小野裕三。 2句組みで、本文139ページ。...
View Article【十五句抄出】たちおか帽子句集『ユノカニア』
2014年霧工房 たちおか帽子(1949 - )はかつて立岡正幸の名で活動し、伊丹三樹彦の「青玄」を経て、坪内稔典らとの同人誌「日時計」創刊(1969年)、大本義幸・攝津幸彦・坪内稔典・馬場善樹・宮石火呂次との「黄金海岸」創刊(1974年)に参加した作家。...
View Article「船団」第101号(2014年6月)
「船団」(代表:坪内稔典)第101号(2014年6月)から。 特集は「花いちもんめ―どの花欲しい?」。題名だけではどういう特集かわからないが、「椿」とか「シクラメン」とか花の種類別に会員の句を集めたもの。クリスマスツリー幻をのむ時間 水城ユヤ(「ほろ酔い気分」30句から)白シャツと黒の下着の採血日 衛藤夏子(「調剤室から」30句から)アスファルト蟷螂死んでアスファルト...
View Article「堊」2014年6月号
「堊」(発行:高石直幸)2014年6月号から。転校の少女に鬱とアマリリス 高石直幸吊り橋の少女に憑ける山の蝶 鈴木実千代沖波の風吹き変る葱坊主 大隈チサ子繋船をさざなみの押す暮春かな 浦みつる...
View Article「遊牧」2014年6月号
「遊牧」(代表:塩野谷仁)2014年6月号から。夜桜に自分が居なくなる予感 田浪富布(特別作品20句から)穴掘っておそろしくなる花の下 直江裕子(特別作品20句から)コンビニの前を通つて卒業す 栗林 浩(特別作品20句から)ステーキを食べる子のごと山笑う 大谷昌弘万骨の覚め始めたる花筏 大畑 等花の夜の芯のところのガラス質 黒澤雅代少女いまパセリのような春休...
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