「里」2014年6月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年6月号から。 特集は「仲寒蝉句集『巨石文明』で石蹴りしよう」。書評=高柳克弘、黄土眠兎、一句鑑賞=津川絵理子、中岡毅雄、冨田拓也、他。 櫂未知子連載エッセイ100回記念で、片山由美子からの肉筆の手紙も掲載。 堀下翔「俳句雑誌管見」第2回は俳誌「澤」について、坂口安吾の「文学のふるさと」に引きつけて読んでいる。女子校の王子と呼ぶな青嵐...
View Article「小熊座」2014年6月号
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2014年6月号から。紙屑も宇宙の塵か春の夜 高野ムツオ好きなもの餡パン蛙の目借時 古山のぼる(物故)象は墓場へ人間は探梅へ 須崎敏之桜さわさわ中学生の夢の量エイプリルフールキメラマウスの目 水月りの風評と風化と三・一一忌 高橋森衛泉下にも囀あふれ歩き出す 佐藤成之白魚の天ぷらさよなら言ふ前に...
View Article「鷹」2014年6月号
「鷹」(発行:小川軽舟)2014年6月号から。 特集は「円熟の世代」。「俳人に余生なし」というタイトルで岩永佐保、井上魚州、速水綾子、御供知倫の座談会。 黒澤あき緒の俳句時評は「行ってきました! 芝不器男俳句新人賞選考会」。ということは同じ会場にいたはずだが、面識がないのでわからず。「鷹」からは兼城雄が予選通過していた。香辛料挽肉に練る暮春かな...
View Article【十五句抄出】葛西省子句集『正体』
2014年角川学芸出版 『正体』は葛西省子(1944 - )の第1句集。 作者は「澤」所属。序文、小澤實。曇天の一点碧し花吹雪翼凍てオーロラをいま航(ゆ)けるなりわが正体獏にて候瓢の笛麦の秋風にゴッホの狂気あり山男とり付ける崖冷ゆるなり眉描いて人間となる霞かな刻まれて栄螺盛られぬ己が殻散り敷きし花に杖つく老母かな食べつくす老茸(ろうじ)岩茸網茸も イギリス...
View Article【十五句抄出】矢野景一句集『游目』
2014年角川学芸出版 矢野景一(1950 - )の第3句集。 著者は森澄雄に師事。「杉」の同人幹事長。 2007年から2013年までの句を収録。...
View Article【十五句抄出】伊丹三樹彦『写俳集17 目玉寺と摩尼車(ネパール篇)』
2014年青群俳句会 伊丹三樹彦『写俳集17 目玉寺と摩尼車(ネパール篇)』は30年以上前の写真と俳句をまとめなおしたもので、句は全て写俳集『隣人 ASIAN』(角川書店・1984年)からの再録。 写真は全てモノクロで、異国的建築とそこで暮らす人々の画面的バランスの良さ、構図の端正さが印象的。氷岳へ立礼 座拝 ラマ僧は冬毛なびかす猿 金色の仏手に乗り鴉の影 縺れる 空港武装兵に空港を横切る...
View Article「秋草」2014年7月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年7月号から。一枚の布となりゆく干潟かな 山口昭男軍服に赤と黄の紐蠅生まる泥のつくことを嫌ひて田の蛙 橋本石火ぼんやりと枝みな動く抱卵期 三輪小春掃きたての土間に筍置かれあり みなみ里奈*****************************************************The Stye Council - The Lodgers
View Article【十五句抄出】山中葛子句集『かもめ』
2014年角川学芸出版 『かもめ』は『水時計』以後の10年間、2002年から2012年の作をまとめた句集。 山中葛子(1937 - )は同人誌「炎星」「黒」「俳句評論」を経て「海程」創刊同人。 句集に『魚の流れ』『縄の叙景』『山中葛子句集』『青葉天井』『球』『水時計』。...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part13
単に造本装幀の懐かしさで読んだ石川英輔『SF西遊記』が意外な名作だった。山田正紀『裏切りの果実』文春文庫・1987年《「現金輸送車を襲うという大仕事に熱中する男たちの姿に、読者がフッと共感をおぼえることがあれば、それだけでこの作品を書いた意味があった、ぼくはそう思いたい」(あとがきより)復帰直前の沖縄で10億円を積んだ現金輸送トラックが本土からやってきた青年に強奪された!...
View Article【十五句抄出】キム・チャンヒ『句集 COSMOS』
2013年マルコボ.コム キム・チャンヒ(1968 - )は、松山で刊行されている俳句ライフマガジン「100年俳句計画」の編集長。 句集『COSMOS』は誰でも安価に出せる、CDよりやや大きめの判型の句集叢書「句集スタイル」の見本を兼ねた刊行だったらしい。...
View Article【十五句抄出】山根真矢『折紙』
2014年角川学芸出版 山根真矢(1967 - )は「鶴」で星野麥丘人、鈴木しげをに師事。 2000年に第15回俳句研究賞を受賞。このときの発表号は都内に住んでいた頃、図書館で見た記憶がある。 『折紙』はその第1句集で2句組みで202ページ。受賞後ずいぶん時間がかかっている。...
View Article「今」2014年夏-第6号
俳句同人誌「今」(編集・保坂敏子、発行・瀧澤和治)2014年夏-第6号から。 巻頭エッセイに中西夕紀。 特集は前号に続けて「福田甲子雄」。隣りゐる蜂巨躯にして金亀子 瀧澤和治隆起する山もあるべし朧の夜 宮沢健児白鷺は群を好まず寒暮光 近藤ひかる八月のある日恩賜の煙草かな 安富遊児大正琴の楽譜微動す目借時 大内...
View Article「鬣」2014年5月号
「鬣」(代表:林桂、編集:水野真由美)2014年5月号から。 特集は第12回鬣TATEGAMI俳句賞。 この雑誌、評論や何かが毎号充実しているので、ゆっくり読もうと思っては後回しにして、結局取り上げられないで終わってしまったりもするのだが、今回は俳句時評で外山一機が第4回不器男賞のことを書いているので、紹介しておかないわけにいかない。...
View Article【十五句抄出】武田肇『同異論』
2014年銅林社 2012年7月から2014年5月までの360句(または1ページ2句180篇)を収録した第7句集。 全ページ2句1組で、《本が閉ぢられてゐるあひだ、二句は一句の重ね合せ状態でegoはまだ分裂してゐない。本を開く瞬間、この朦朧とした一句は分裂する。見ることが、一句を二句に複數化する。》(解題)...
View Article「未定」第97号(2014年7月)
第2次「未定」(編集発行:未定編集部=高原耕司)第97号(2014年7月)から。 特集は「書評・絶巓のアポリア」で、高原耕司の大著について表健太郎、田辺恭臣が評を寄せている。 《(……)かつてこれほどまでに富沢赤黄男と高柳重信の仕事を正当に評価した一書というのは、『絶巓のアポリア』以外に存在しないと見ている。》(表健太郎「「魔書」の絶巓」)...
View Article「鏡」第13号(2014年7月)
「鏡」(発行編集:寺澤一雄)第13号(2014年7月)から。飯茶碗落ちて欠片に入学す 寺澤一雄小旅行裸は水音に慣れて 佐藤文香表面に雲を流して石鹸玉 笹木くろえラピュタ指すピアノのふたや薄暑光 遠藤 治夏野かなリュックは翼ほど重し 越智友亮うつつへとなまなま亘る蝮草...
View Article「ジャム・セッション」第5号(2014年7月)
「ジャム・セッション」(編集発行・江里昭彦)第5号(2014年7月)から。 江里昭彦と、中川智正死刑囚2人の同人誌。 中川智正「私をとりまく世界について(その4)」、江里昭彦「一句鑑賞・柿本多映句集『仮生』より(後)」掲載。...
View Article「澤」2014年7月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2014年7月号は毎年恒例の、総合誌をしのぐ分厚い特集号。今回の特集は「五十歳以下の俳人」。 青木亮人、今井聖、片山由美子、坂口昌弘、仁平勝が執筆する「意中の五十歳以下の俳人」、それと上田信治、小澤實対談「新人輩出の時代」、そして上田信治選、押野裕(「澤」元編集長)選による二通りの「五十歳以下の俳人要覧」がメイン記事だが、他にも関連記事多数。...
View Article
More Pages to Explore .....