「香天」2014年7,8月号
「香天」(編集発行:岡田耕治)2014年7,8月号から。海に来て音軽くなる梅雨の傘 岡田耕治揚げパンに黄粉たつぷり麦の秋 金子 敦(招待作品)手足まだ伸びそう衣更えるとき 櫻井ゆか(招待作品)湿らせてちぎる色紙花曇 森本恵子すれ違う少年ふいに黒揚羽 釜田きよ子 安田青彦「読みかえす俳句(7)」に拙句(介護句)への言及あり。...
View Article「儒艮」vol.7(2014年8月)
「儒艮」(編集発行:久保純夫)vol.7(2014年8月)から。 松下カロの実質連載となっている評論枠は「病という言葉――永島靖子へのアプローチ」。 他、エッセイ多数。宙に浮く少女の中の櫻かな 久保純夫「出逢ってしまったあなた―櫻まみれ―」轟轟と国中をゆく櫻たち天変と地異のはざまの櫻かな何気なく葛を手繰りて何もなし 久保純夫「ささゆりの水―秋―」青蜥蜴うつらうつらと壺の中...
View Article「絵空」vol.8(2014年夏)
「絵空」vol.8(2014年夏)から。 山崎祐子、茅根知子、土肥あき子、中田尚子の4人の同人誌。むらさきは眠くなる色桐の花 土肥あき子体操の締め深呼吸柿若葉 中田尚子便所神は男女一対芒種なる 山崎祐子原野にも似て東京の驟雨かな 茅根知子 後記から。...
View Article「陸」2014年7月号
「陸」(発行:中村和弘)2014年7月号から。妖精に胃の腑無さそう青葉かな 中村和弘花祭を粉末状に待つてゐる 大石雄鬼爆音の腹に響いて山桜 金子 潤入学のセーラー服を見せに来る 松本道宏天守閣へクレーンのびる鳥曇り 大野和加子*****************************************************「巣箱」製作:日映科学映画製作所1955年
View Article【十五句抄出】山﨑十生句集『花鳥諷詠入門』
2004年富士見書房 山﨑十生(1947 - )『花鳥諷詠入門』は10年ほど前に出た句集だが、先日、「彩の国ベガ俳句大会」の講演・選者を務めた折、主催者の山﨑さんから頂戴した。 この第4句集が、それまでの「山﨑十死生」を現在の「山﨑十生」に改めて最初の句集となる。 261句を収録。十字架の影こそ菫なりしかな星を磨くのは一本の葱である白くなることが本望ではない...
View Article「川柳カード」第6号(2014年7月)
「川柳カード」(発行:樋口由紀子、編集:小池正博)第6号(2014年7月)から。 特集は「現代川柳の肖像」で、墨作二郎(本多洋子)、渡辺隆夫(野沢省吾)、金築雨学(草地豊子)、石部明(前田一石)が論じられている(カッコ内は執筆者)。徘徊と言うな宇宙を散歩中 野沢省吾行列のできる継ぎ目のない少女 榊 陽子コトリというなまえの少年兵だった 松永千秋袈裟懸けに斬られた後も花粉症...
View Article「らん」No.66(2014年夏)
「らん」(発行・鳴戸奈菜、編集・五十嵐進、西谷裕子、皆川燈)No.66(2014年夏)から。 特集は「詩の原郷へ 永田耕衣/河原枇杷男」。掌が青みを帯びてきて狙撃 五十嵐進しんかんとすずしく晴れて棺の中 もてきまり蟻だけが碁盤の上で考へる 腐川雅明永遠を卵黄とせり秋の雨 矢田 鏃満月にストローを挿す帰雁かな 山口ち加たましいが入りかさばる春キャベツ 金子...
View Article「鷹」2014年8月号
「鷹」(発行:小川軽舟)2014年8月号から(前号をぐずぐずと上げずにいたらもう今月号が来てしまった)。 今号はインタビュー「俳人を作ったもの」第6回が載っていて、石田郷子が登場。 (「石田郷子ライン」について) 《私なんて話題にしてもしょうがないですよ、もったいない。》 (「自然」について)...
View Article「あすてりずむ」第6号(2014年7月)
「あすてりずむ」(編集発行・小早川忠義)第6号(2014年7月)から。 ネットプリント雑誌。 ゲストに佐藤成之(作品は佐藤、小早川の各10句のみ)。 今号を以て終刊とのこと。天仰ぐ百合もわたしも崖っぷち 佐藤成之虹にない色を個性というのだろう目の合へば花氷越し逃れたり...
View Article「草樹」第52号(2014年7月号)
「草樹」(発行:吉田成子)第52号(2014年7月号)から。 句集特集として中井嘉江句集『薄墨桜』、音羽和俊句集『春の雪』、西原三春句集『花暦』、藤田枕流句集『八十路の坂』が取り上げられている。麦の禾国民われをかくまで刺す 宇多喜代子五月富士全しと告ぐ重信塚 沼尻巳津子野遊びに警官ひとり近づき来 吉田成子犬吠ゆるたびに氷柱の伸びたがる 鈴木きみえ逸らしたる視線をシクラメンのなか...
View Article「ぶるうまりん」28号(2014年6月)
「ぶるうまりん」(編集:ぶるうまりん編集部)28号(2014年6月)は、編集発行人だった須藤徹が亡くなって一年以上が経過し、代表者を立てない形での刊行継続となった。 特集は「まるかじりインタビュー 渡辺隆夫の世界」で、11号まで同人でもあった川柳作家を取り上げる。 他にエッセイ、書評多数。かたつむりとぶ無理数を解くように 普川 洋東京湾皿一枚の春景色 田中徳明亀鳴いてムンクの叫びかと思う...
View Article「小熊座」2014年7月号
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2014年7月号から。 津髙里永子の近刊句集鑑賞は西村麒麟『鶉』と島谷征良『南箕北斗』について。遂に覚めぬ朝もあるなり木の芽雨 高野ムツオ喰う魚も喰われる魚も聖五月卯月浪祖霊は鹹き手を上げてたけのこを抱く魍魎の重みとや 須崎敏之ぶらんこに戦中戦後男揺れ 越高飛騨男村中が出はらっている立葵 佐々木とみ子みちのくの地を這ってくる若葉風 宮崎...
View Article「里」2014年7月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年7月号から。 特集は「谷口智行『熊野、魂の系譜』言霊の海へ」。春昼の視野に墨汁流れ来し 谷口智行(「春光―左眼網膜裂孔による硝子体出血記念55句―」より)春の闇より忽然と手術台医療廃棄物置場わんさと猫の子ら来よ来よと呼べば子猫の目玉来るみたりゐてみたりとも女医春らんまんライオンもキリンも濡れる祭かな 金成 愛草間弥生の目に捕えられ暑さかな...
View Article「秋草」2014年8月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年8月号から。 特集は三輪小春句集『風の往路』。種蒔をじつと見てゐる赤子かな 山口昭男蟇産婆の顔で来てゐたり鯉の背のかわくことなき大夏野切株に残る人の香蝉丸忌十薬を干すこと水を替へること 市川薹子深海魚あまた上がりし更衣 大西美帆地蔵尊通り過ぎれば氷店 横内正人ゆるやかに曲がる単線麦の秋 桜井かほり宇宙より陽を小さく分けひまはりに...
View Article「円座」2014年8月号
「円座」(発行:武藤紀子、編集:小川もも子)2014年8月号から。 特集は田中百榮句集『夢前川』。 毎回書き手を替えて続いている「武藤紀子の一句鑑賞」、今回は津川絵理子。北国の夜明けの色の鱈を買ふ 武藤紀子密に描けば抽象となる蝸牛やはらかきあめかぜ古巣ほどきもす 中田 剛赤い椿踏まねば行けぬ姉の墓 木村辰子夏期講座古墳の風の吹くところ 白石喜久子かたまりて眠る仔豚や里若葉...
View Article「雷魚」99号(2014年8月)
「雷魚」(編集:寺澤一雄)99号(2014年8月)から。いつかまた会ふ日のありや蟾蜍 亀田虎童子青蔦やはたりはたりと象の耳 北上正枝水を打つ昭和八十八年目 小島良子金色のスポーツシューズ地虫出づ 小林幹彦春めきしところどころに猫の胴 櫻井ゆか古漬の瓜の歯応へ霾 寺澤一雄紙コップの水歪みたる立夏かな 遠山陽子日傘、杖、跛行、戦艦ポチョムキン 増田陽一...
View Article【十五句抄出】岡本紗矢句集『向日葵の午後』
2014年ふらんす堂 『向日葵の午後』は岡本紗矢(1956 - )の第1句集。2002年の作句開始から2013年までの316句を収録。...
View Article「ガニメデ」vol.61(2014年8月)
詩誌「ガニメデ」vol.61(2014年8月)から。 俳句の比重がだんだん増えてきて、今号は宮坂静生、中原道夫、関悦史、矢口晃、渋川京子、佐藤清美、長嶺千晶、水野真由美、瀧澤和治、仲寒蟬、井越芳子が各50句、林和清、鳴戸奈菜、増田まさみ、小野あらたが各14~30句を寄せている。 それに小林貴子のエッセイ「縄文時代を生きる俳人――宮坂静生の近業《宮坂静生論》」も掲載。...
View Article「翔臨」第80号(2014年6月)
「翔臨」(編集発行:竹中宏)第80号(2014年6月)から。 馬場駿吉「晴朗なる 死との対面――宮下初子句集「いと」を読む」を掲載。雪嶺は空の鏡に夜も昼も 竹中 宏亀鳴くは犬猫鶏の声のひま田螺とは谷間(あひ)をゆく旅人なり 中田 剛黒鳥はヘイトスピーチが飲み込めず 小笠原信マラソンの佳境に捨てるサングラス 中村紅絲傘立てに杖三四本涅槃寺 尚山和桜月明り帝国ホテルの一間かな...
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