「妃」第16号(2014年10月)
詩誌「妃」(編集発行:田中庸介)第16号(2014年10月)から。 今号の参加者は長谷部裕嗣、田中庸介、仲田有里(歌人、詩人)、瓜生ゆき、大崎清夏、倉石信乃(詩人、写真評論)、山田航(歌人)、後藤理絵、宮田浩介、広田修、管啓次郎(詩人、比較文学)、鈴木ユリイカ。 A5判、124ページ。 以下、一部を抜粋。...
View Article「連衆」No.69(2014年9月)
「連衆」(編集:谷口慎也)No.69(2014年9月)から。 今号の巻頭言は横山康夫。奥羽より葡萄の房の届いた日 津沢マサ子(招待作家)孤独とは心の中の遠い夏ブラジャーの紐の光沢豊の秋 澤田和弥(招待作家)ウクライナへ急ぐ急須に足が出て 情野千里(特別作品・川柳)心電図のところどころに菫かな...
View Article【十五句抄出】大本義幸句集『硝子器に春の影みち』
2008年沖積舎 『硝子器に春の影みち』は、攝津幸彦の盟友にして「豈」創刊同人でもある大本義幸(1945 - )の、実質上の全句集。...
View Article「絵空」vol.9(2014年秋)
「絵空」vol.9(2014年秋)から。 山崎祐子、茅根知子、土肥あき子、中田尚子の4人の同人誌。おしろいや自転車しまふ大袋 中田尚子団栗と物々交換のドロップ 山崎祐子たくさんの人がゐた海いわし雲 茅根知子天高くアンモナイトに黄金比 土肥あき子 編集後記から。 津波で被災した豊間中学校の取り壊しが始まり、近辺は堤防と緑地になる予定という。...
View Article「紫」2014年10月号
「紫」(発行:山﨑十生)2014年9月号から。 巻頭の「龍門集」(主宰を含む同人作品欄)は、一句鑑賞を誌上に連載中なので省略。人間はどうかしている雹が降る 鳥海美智子雑学でつながってます夏の草 依田壽子穴子鮨一本買をしたるかな 喜田礼以子*****************************************************日本食ドキュメンタリー 江戸前穴子...
View Article「小熊座」2014年11月号
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2014年11月号から。地球より去りゆくところ鰯雲 高野ムツオあれはやはり炎だったか秋の蝶林檎の尻わが手を拒むごと固し熊の子に丸太ん棒と夏の雲 越髙飛騨男柿たわわ武人埴輪は見当たらず 栗林 浩従軍の風ことごとく秋風なり 渡辺誠一郎大夕焼地球一つの魂を抱く 俘...
View Article「陸」2014年11月号
「陸」(発行:中村和弘)2014年11月号から。 第13回陸賞発表あり。竜舌蘭の内へ墜ちたり秋の蝶 中村和弘ローマ三部作の途中のソーダ水 大類つとむ手に重き六林男句集や送り梅雨 稲村茂樹鉄パイプのように暑がる男かな 大石雄鬼特高の暗き眼をもて蝉の穴 石川真木子大夕立少年の胸逞しき 古賀雨苑プラスチックの怪獣並ぶ無月かな...
View Article【十五句抄出】朝吹英和編『磯貝碧蹄館 遺句集』
2014年私家版 『磯貝碧蹄館 遺句集』は磯貝碧蹄館(1924 - 2013)の第10句集『未哭微笑』以後の作品約1,300句から334句を、「握手」編集長であった朝吹英和がまとめたもの。碧蹄館は第11句集の構想を練っていたが、実現を見ないまま亡くなったという。 心房に鉄臭こもる冬ざくろ鼠蹊部より入りくる管に薫風あれ志戸呂壺より弦楽鳴りぬ貝やぐら...
View Article【十五句抄出】岩崎信子句集『幻燈』
2014年ふらんす堂 『幻燈』は岩崎信子(1940 - )の第1句集。序文は矢島渚男。 作者は「梟」同人で、1959年テレビ・ラジオ草創期以来の信越放送のアナウンサー。点々と春竜胆のクリスタル寄居虫の貝着せ替える男あり春寂し録音室の残響も花あんず遠回りして御覧なんし虫動くほたるぶくろの幻燈機蛇が寄る女の髪を焼きし穴物憂げなちいさき瞼蛇の衣...
View Article【十五句抄出】甲斐一敏句集『忘憂目録』
2014年ふらんす堂 『忘憂目録』は甲斐一敏(1941 - )の第1句集。帯:坪内稔典、序文:串田久治(中国文学者)。 著者は八木三日女が最晩年に自宅で催していた「花句会」を経て、2009年「船団」入会。...
View Article「澤」2014年11月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2014年11月号から。 特集は「竹村翠苑句集『摘果』を読む」で、野口桐花、鈴木尚子、宮田應孝による句集評。熱風に別の熱風正面より 小澤 實一室は畳敷なり夏館裸の胸ノートパソコン照らしをる男の子我垂乳根を戀ひ火を戀ふる 高橋睦郎(新竪題)ドラムに巻く延長コード祭果つ 服部鶫美あいすくりいむ永訣(わかれ)の味となりしとは...
View Article【告知】「いわきに、行ってみた!」及び「カレンダー」頒布
津波被災地のいわき市復興支援ツアーに何度か行っている。 山崎祐子さん(俳人・民俗学者)らがやっている「プロジェクト傳」という復興支援団体の呼び掛けに応えてのもので、四ッ谷龍、鴇田智哉、相子智恵、宮本佳世乃、土肥あき子各氏も参加しており、この前は角川俳句賞受賞者の永瀬十悟氏とも会ってきた。...
View Article【十五句抄出】渡辺誠一郎句集『地祇』
2014年銀蛾舎 『地祇』は「小熊座」編集長・渡辺誠一郎(1950 - )の第3句集。 2004年(平成16年)から2014年(平成26年)春までの588句を収録。...
View Article【十五句抄出】岡田一実句集『境界 -border- 』
2014年マルコボ.コム 岡田一実(1976 - )は4年前に第3回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞、今年、現代俳句新人賞を受賞。俳誌「いつき組」賛同(「賛同」は「組員」を指すらしい)。 『境界 -border-...
View Article【十五句抄出】松岡月虹舎『自由律句集―一九九〇年から二〇一〇年』
2014年層雲自由律叢書 松岡月虹舎(1950 - )は1990年から「層雲」に投句を開始。これが第1句集にあたるらしい。序文:伊藤完吾。 著者40歳から60歳までの社会生活現役次代の句集。東日本大震災で職場が倒壊し、離職。略歴に記された転居歴からすると、生まれは東京だが水戸で被災されたらしい。現在つくば市在住。...
View Article豆句集『みつまめ』その五粒目(2014年立冬号)
豆句集『みつまめ』その五粒目(2014年立冬号)から。 今回から参加者が1人減り、井上雪子、梅津志保の2名と吉野裕之。マフラーとボカロや君の夜を跳べ 井上雪子山荘のポストに手紙秋澄めり 梅津志保 *午過ぎは大きな時間秋の貨車 吉野裕之*****************************************************Steve Reich - Come Out
View Article「円座」2014年12月号
「円座」(発行:武藤紀子、編集:小川もも子)2014年12月号から。 前号から始めた連載「平成の名句集を読む」は、正木ゆう子句集『静かな水』について。醜草(しこくさ)に陽炎たちぬ方丈記 武藤紀子傍らに人の声きく昼寝かな 中田 剛秋気澄むサリーの人と東海道 中根芙美女水に立つ十字架秋の澄みにけり 牛嶋尚子萩白し少年の椅子そのままに 近藤直子ほそ道を僧に出くはす八雲の忌...
View Article