「香天」2014年11,12月号
「香天」(編集発行:岡田耕治)2014年11,12月号から。胡桃割る前にたっぷり鳴らしけり 岡田耕治椎茸が跳ね新しきフライパン読み聞かす絵本の決まる布団かな生れ変はる両性具有の父と母 安田青彦(特別作品)歩みきて穴より出づるあそびして薄原人であること半分に 谷川すみれ二十世紀アベノミクスに見捨てられ 西田唯士鰯雲残り時間として迫る 加地弘子遥かまで素数のつづく夕時雨 天野...
View Article「白茅」第6号(2014年秋)
「白茅」(代表:中田剛)第6号(2014年秋)から。 招待作家作品に岸本尚毅、西村和子。 特別作品に市堀玉宗、岩井英雅、大木孝子、長谷川櫂、松岡ひでたか、矢野景一。茄子を喰ひ髭を生やして交尾して 岸本尚毅死蟬の外さぬ羽根のうつくしき 中田 剛慌てない雀が稲をよく食うて 市堀玉宗ひと刷けのかなしみ雀蛤に 大木孝子苞にして葉も青々の蓮の餅 長谷川櫂曇日の鵜籠に残る鵜の匂ひ...
View Article「紫」2014年11月号
「紫」(発行:山﨑十生)2014年11月号から。 巻頭の「龍門集」(主宰を含む同人作品欄)は、一句鑑賞を誌上に連載中なので省略。朝顔は宇宙と交信してゐたり 鳥海美智子泳ぐたび身軽くなって饒舌に 山田望都江危機管理出来なくなった大白桃 依田壽子バラ園の薔薇の呼吸を持ち帰る 新川 森 主宰山﨑十生の百句を神野紗希が鑑賞した『山崎十生セレクト100...
View Article「鬣」第52号(2014年8月)
「鬣」(代表:林桂、編集:水野真由美)第52号(2014年8月)から。 特集は神保町古本掘り出しツアーと、追悼・松原令子。 届いてから大分経って、この次の号がもう出てしまった。カラオケの画面に雪ふる世紀末 暮尾 淳少女らは読書明るき都かな 吉野わとすん港町修道女ついに凧となり 松原令子(未発表遺作集)曲馬団マグリットの空に行方不明連山に物盗りはなつかしきかな...
View Article「鬣」第53号(2014年11月)
「鬣」(代表:林桂、編集:水野真由美)第53号(2014年11月)から。 特集は、《第四回「芝不器男俳句新人賞」第一次通過作品を読む》。...
View Article【十五句抄出】深代響句集『雨のバルコン』
2014年風の花冠文庫 深代響(1955 - )は「國大俳句」「雲母」「未定」を経て現在「鬣」所属。『俳句・イン・ドローイング』(ふらんす堂、1988年)に参加(当時の筆名は「三浦敏郎」)。 その後中断期を挟んで2001年から句作再開。...
View Article中島敏之『俳句の20世紀を散歩する』
2014年風の花冠文庫 中島敏之(1952 - )の『俳句の20世紀を散歩する』は「鬣」の連載をまとめたもの。解説:林桂。 読書の対象として、具体的な古書の列挙の形で語られた俳句、それを年代順に並べ替えることで独自の俳句史に仕立てた本。...
View Article「翔臨」第81号(2014年10月)
「翔臨」(編集発行:竹中宏)第81号(2014年10月)から。 「海老禮子百句再録」、槌井元子「海老禮子さんを偲んで」を掲載。 海老禮子は昨年11月、85歳で死去。飯田龍太に師事。「雲母」廃刊後、「翔臨」に参加。第19号から第75号まで作品を発表。連翹や潜函(ケーソン)つかみあげ思案 竹中 宏「キヤツシユ」の語を割舌(かつぜつ)明晰燕子花大竹しのぶゆらゆらことばなく梅雨入(つい)り...
View Article「青群」第34号(2014年冬)
「青群」(発行:伊丹啓子、編集:伊丹啓子・小嶋良之・政成一行)第34号(2014年冬)から。水溜り跳び越え ブラッサイは何処 伊丹三樹彦(顧問作品)夢殿の仏に逢うてきし春眠 たむらちせい湯上りの子が来て匂う 栗のように 津田将也山珊瑚は 巡礼少女の朝のひかり...
View Article「遊牧」2014年12月号
「遊牧」(代表:塩野谷仁)2014年12月号から。また違う水のかたちや秋嵐 相川玖美子水ようかん潮目境の崩れゆく 古舘泰子サフランや図書館にいて野望あり 月村青衣鰯雲時計と消せるボールペン 直江裕子アフリカ地図髑髏に見える文化祭 吉岡一三いつもどこか日暮れの地球鳥渡る...
View Article「鷹」2014年12月号
「鷹」(発行:小川軽舟)2014年12月号から。 インタビュー「特集・2014年回顧 創刊50周年の年をふりかえって――主宰に聞く」と、同人自選一句を掲載。ロープウェー深空行き交ふ落穂かな 小川軽舟朝日また夕日に似たり破芭蕉山寺に公衆電話冬隣水破り錨出でくる秋暑かな 奥坂まや鹿肉のかたまり赤しやるせなし 布施伊夜子潜水艦浮かぶ引退秋の暮 細谷ふみを人死んで写真の嵩や秋日差す...
View Article【十五句抄出】酒井和子句集『花樹』
2014年角川学芸出版 『花樹』は酒井和子(さかい・わこ 1935 - )の第3句集。装幀は加納光於+間村俊一。 著者は森澄雄、橋本榮治に師事。「杉」「枻(かい)」同人。月なにかしきりに降らす盆の山蕎麦食うてちかちかちかと斑雪山...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part18
この一ヶ月も不調続きで、一冊も読めない日が続いた。 装幀的に懐かしいのはかなり久しぶりの再読となる眉村卓のエッセイ集『出たとこまかせON AIR』角川文庫。表紙の版画は木村光佑。それと福武文庫の干刈あがた。 あの『夜のみだらな鳥』と並ぶドノソの傑作として名ばかり高かった『別荘』が訳出され、読めた(『夜のみだらな鳥』も遠からず復刊されるらしい)。眉村卓『出たとこまかせON...
View Article「里」2014年11月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年11月号から。 島田牙城講演録「芭蕉と現代俳句」52枚分を掲載。山頂の霧深ければみな無言 田中雅己坂道を転がり行きし柿一つ 鶴岡紀代文春が朝日を責める秋の蠅 媚庵十月の百円ショップの鋏かな 瀬戸正洋秋の暮莨消すまで待てないのか 島田牙城エスプレッソマシン溢れて夕月夜 虎時すずめうり天使の睾丸かもしれず...
View Article「儒艮」vol.9(2014年11月)
「儒艮」(編集発行:久保純夫)vol.9(2014年11月)から。 評論、松下カロ「誰かの言葉―河原枇杷男へのアプローチ」「楕円の中の眉と毬とユリウス」を掲載。後者は、佐々木貴子句集『ユリウス』と津沢マサ子句集『楕円の昼』、吉村毬子句集『手毬唄』、岡田由季句集『犬の眉』等について。大縄跳び常に入りくる死児のこと...
View Article「円錐」第63号(2014 Winter)
「円錐」(編集委員:澤好摩・橋本七尾子・山田耕司・今泉康弘)第623号(2014 Winter)から。 今号から編集実務が澤好摩から山田耕司に代わり、例の特徴的だった印字のずれたワープロをそのままコピーした誌面ではなくなった。 小林恭二の特別寄稿連載「澤好摩俳句鑑賞」2回目は「澤好摩の俳句「立句と平句」」。 小特集は「原田浩佑とは?」で、第4回芝不器男俳句新人賞坪内稔典奨励賞受賞作品他を掲載。...
View Article「麻」2014年9月号
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2014年9月号から。ひとつづつみんな湿りて花茗荷 嶋田麻紀8月や神の知恵の輪めくエボラ 松浦敬親皇帝の横顔沈む泉かな 山﨑百花水槽のプライバシーなき金魚たち 瀬野 浩*****************************************************Ultravox - The Voice (1981)
View Article「麻」2014年10月号
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2014年10月号から。新米の袋三段重ねかな 嶋田麻紀校庭のどこも乾いてサルビア咲く 井口あやこにはかなる路面の翳り終戦日 杉山加代民宿の椅子のぎくしやく日雷 笹本カホル三伏や冷し中華の赤青黄 山﨑百花*****************************************************U2 - Vertigo
View Article「小熊座」2014年12月号
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2014年12月号から。鰯雲ここに生きしと土台あり 高野ムツオ揺れるは禱り背高泡立草もまた野分過ぎ残る猪の毛兎の毛 増田陽一蘆原の暗さをつなみ疵と云う 小笠原弘子コンバインの乗り手は少女雁渡し 永野シン孤独にも音はありしか木の実降る 日下節子十六夜は光量不足仮設地区...
View Article「里」2014年12月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年12月号から。 特集は「海野良子句集『時』にピッケルを打ち込む」。 堀下翔「俳句雑誌管見」第8回は後半、《闇深かりし三矢サイダーありし頃...
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