「円座」2016年6月号
「円座」(発行:武藤紀子、編集:小川もも子)2016年6月号から。 関悦史「平成の名句集を読む」第11回は、佐藤鬼房句集『瀬頭』について。 光る川いくつ渡りて梅探る 武藤紀子のどかなり蠅とぶ音のいつまでも 中田 剛根付きたる苗木に春の雪二寸 曽根京子水音の先に桜のしだれけり 山中多美子ブランコを大きく漕いでゐる孤独 浅井沙衣子アスパラガス我の背丈は縮まりぬ 津村京子
View Article「里」2016年3月号
「里」(編集:中山奈々、副編集:小鳥遊栄樹、同人会長:仲寒蝉、発行:島田牙城)2016年3月号から。 この先に厄年はなき菠薐草 河西志帆去年今年篁は山上りゆく 谷口智行夏蝶の水にとまりし秩序かな 男波弘志にんにくを炒めるオイル聖五月 ローストビーフ髓へ至れり白梅の幹の罅 島田牙城しやがむ脚春の光にふくらめる 上田信治繋がれてゐる手が菜の花の高さ...
View Article【十五句抄出】山田健太句集『二百三十四句』
2016年6月私家版 山田健太『二百三十四句』は、著者情報は載っていない。 奥付から水戸の人であること、「回想」の前書のついた《三島死す高二物理の授業中》という句から、1970年に高校二年であったらしいことがわかる程度。 句集には「東日本大震災」「香苑逝く」「右肘脱臼・骨折」の連作が含まれている。 ライオンに檻と深空と春日傘食卓に水中花あり妻は旅 東日本大震災...
View Article【十五句抄出】森田廣句集『樹』
2016年5月霧工房 『樹』は森田廣(1926 - )の第6句集。 森田廣は福島小蕾主幹の『俳句地帯』同人を経、これを『地帯』と改めて主幹。その終刊後『ひこばえ』(代表月森遊子)同人。 現代俳句協会理事を経て名誉会員。...
View Article「セレネッラ」第8号(2016年6月)
ネットプリント誌「セレネッラ」第8号(2015年6月)から。 参加3人の各6句と短文《俳句を始めたころ》を掲載。三輪車の轍に嵌る実梅かな 金子 敦こんにちはに続くさよなら百合の花 中山奈々岩清水五感をすべて使ひ切る 中島葱男
View Article【十五句抄出】山﨑百花句集『五彩』
2016年4月現代俳句協会 『五彩』は山﨑百花(1947 - )の第2句集(ただし第1句集『青い鳥』邑書林は未刊)。序文:松浦敬親。 作者は「麻」「里」同人。...
View Article【十五句抄出】平松彌榮子句集『雲の小舟』
2016年5月角川書店 『雲の小舟』は平松彌榮子(1925 - )の第4句集。序文:高野ムツオ、「あとがきに代えて」:我妻民雄。 作者は「馬酔木」「鷹」「序曲」を経て「小熊座」同人。 「あとがきに代えて」に「平松彌榮子はいま、覚醒よりも睡眠の長い時間にいる」とあり、句集刊行時にはあとがきが書ける容態ではなかった模様。...
View Article「鷹」2016年7月号
「鷹」(発行:小川軽舟)2016年7月号から。 捩花や突つかけに客迎へたる 小川軽舟うまきもの食はせたき恋更衣厭世厭人死にたい俺へ桜餅 星野石雀椿落ちしずかに飢ゑてゐたりけり 奥坂まや草霞みけり大鯉の遊弋も 有澤榠樝リストカットの傷カワイイと花見かな 髙柳克弘戦跡の藤の蔭にて斧研げり 竹岡一郎夏痩せて未来しか見ぬ老女かな
View Article【告知】俳句甲子園審査委員長ほか
しばらくやっていなかったので近況の告知をまとめて。 第19回俳句甲子園の審査委員長になりました(審査委員長が13人いて、そのうちの1人)。 8月に松山へ行く予定。 * 「俳句と超短編」vol.3の、超短編と俳句のリレーコーナーに、倉田タカシ氏の超短編を受けた1句を出しています。 *...
View Article「秋草」2016年7月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2016年7月号から。大方は空へ行く鳥更衣 山口昭男草刈つて冷たき風に立ちあがる花ぐもりこの庭園に石いくつ 大西美帆古書店の団扇の上の油紙 橋本石火
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part38
先月の全身湿疹以来、微熱や頭痛が去らず、何も読めない日が多かった。 装幀で懐かしかったのは角川文庫の阿佐田哲也、横溝正史、初期の講談社ノベルスの西村京太郎くらい(辰巳四郎が装幀から外れてしまってから物件としては魅力を感じなくなった)。...
View Article【十五句抄出】宇野恭子句集『樹の花』
2016年7月ふらんす堂 『樹の花』は宇野恭子(1958 - )の第1句集。序文:井上弘美。 作者は「椋」「泉」を経て「汀」創刊同人。...
View Article【十五句抄出】岡野泰輔句集『なめらかな世界の肉』
2016年7月ふらんす堂 『なめらかな世界の肉』は岡野泰輔(1945 - )の第1句集。帯文:坪内稔典。 作者は「船団の会」会員。共著に『俳コレ』。...
View Article「俳句」2016年7月号
「俳句」2016年7月号から。 対談で金子兜太が大峯あきらの震災句を面と向かって批判したりしている。 「平成の夏の名句18句」の執筆陣に福田若之が入っていて、書きぶりが「エモい」(この場合は褒め言葉)と話題。 一番後ろのページに漫画家・内田春菊の新連載「今月の気になる季語」というのが始まっていた。内田春菊がイラスト一葉と俳句4句を出している。 姫始阿のこゑ高く吽低く...
View Article「澤」2016年7月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2016年7月号から。 毎年7月号で総合誌顔負けの特集を組む「澤」、今回の特集は「縄文と俳句」。 ほかに澤潺潺賞・澤新人賞・澤叢林賞、新同人の発表あり。 大島の噴煙見えて春惜しむ 小澤 實束の間の虹の王朝ありにけり 高橋睦郎(季語練習帖)卒業証書じつと見る母眼鏡ずらし 高橋まり子初夏や皮蛋の闇すきとほる 川上弘美栄螺吸付く水槽の厚硝子...
View Article「麟」第57号(2016年7月)
「麟」(代表:山下知津子、編集:駒木根淳子)第57号(2016年7月)から。 特集は「染谷佳之子 働く母・子育てを詠む」。 とことはに母の野遊びつづくなり 山下知津子鎌倉の雨白くしてかたつむり 飯野きよ子永久に二時四十六分大霞 駒木根淳子対面のビル映し合ふ窓薄暑 野口明子ヒマラヤは快晴と子の初電話 飯野きよ子(特集)すず風とも違ふ風吹く廃れ里 中嶋鬼哭(特別作品)
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