「俳壇抄」第41号(2013年11月)
「俳壇抄」という電話帳のような全国俳誌ダイジェストを、三、四年前から筑紫磐井さんが送ってくれてきている。今回のは第41号(2013年11月)。 出しているのはマルホ株式会社なるところで、現代俳句協会・日本伝統俳句協会・俳人協会が後援している。 各結社・同人誌のこの一年の代表句と近況が一頁ずつ五十音順で載っているのだが、大結社で参加していないところも少なくない。 巻末に評論が二本。...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part6
また今月読んだ俳句関係以外の本だが、『現代タイのポストモダン短編集』というのが予想外に面白かった。デーンアラン・セーントーン「毒蛇」は、いわゆるポストモダン文学ではないが、緊迫感とラストの鮮やかさが抜きんでている。食いついてきた大蛇の頭をかろうじて掴んだまま全身を締め上げられる少年、最後に村人たちに発見はされるのだが……。...
View Article「川柳カード」第4号(2013年11月)
「川柳カード」(発行:樋口由紀子、編集:小池正博)4号(2013年11月)から。 特集は「女性川柳人が読む女性川柳作品」。樋口由紀子を山田ゆみ葉が、清水かおりを山下和代が、広瀬ちえみを酒井かがりが読んでいる。 《「広瀬ちえみ、お前がアリエッティだという事はわかってるんだ》 よく見れば白髪まじりの男は、かの有名な「川柳刑事(デカ)石部」ではないか。 (中略)...
View Article「共有結晶」vol.2
BL短歌誌「共有結晶」vol.2から。 A5判162ページと、結構なボリューム。 川口晴美・飯田有子対談「腐女子として、書くこと」掲載。 石原ユキオさんが「BL短歌クラスタに俳人能村登四郎をお薦めする3つの理由」というのを書いていて、こちらが『ふらんす堂通信』に連載している「BLな俳句」のことまで紹介してくれ、送ってきてくれた。...
View Article【告知】『NHK俳句』出演 他
ツイッターでも告知しましたが、明日12月1日早朝の『NHK俳句』に出演します。 オリビアも出ます。 公式の告知がこんな状態。《選者は、宇多喜代子さん。ゲストは俳人・関悦史さん。関さんは、さまざまな場所を訪れて写真を撮る際、“オリビア”というものを風景の中に置くことにしている。さて、そのオリビアとは? 題「炭」。【司会】桜井洋子アナウンサー》...
View Article「Esマナ」第26号(2013年12月)
歌誌「Esマナ」(編集発行:加藤英彦)第26号(2013年12月)から。 なお、この雑誌名「Es」の後の部分が毎号異なる。 特集は「妖怪」の題詠で、川柳の小池正博が参加。悪寒以後布団の中に渇いた手 小池正博(特集「妖怪」から)ウルトラFだった一反木綿だった弟や妹なども身のうちに住みて妖しの髪のぬくもり 大津仁昭スプーンの銀さびしけれこれの世に降(お)りてここなる闇を掬えり...
View Article「里」2013年11月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2013年11月号から。レモンレモン不意に捥がるるための色 谷口智行この星の半濁点として満月 小豆澤裕子物体となりたる父か天の川 男波弘志(「父逝く 七句」より)晴れて池人かげと鴨入り混じる 上田信治月白の指揮者(マエストロ)ふと樹海めく 月野ぽぽなどんぐりを踏んでどこへも帰れない 小林苑を...
View Article「遊牧」2013年12月号
「遊牧」(代表:塩野谷仁)2013年12月号から。 栗林浩「京極杞陽―その人と作品」が今月から連載開始。全4回予定。夏帽子置き去りにした碓氷峠 相澤泰子約束の老人となる良夜かな 古館泰子ツナフレーク缶の丸さを台風裡 柳 恵子竜巻が落としていった『俘虜記』かな 大畑 等露の世の距離を正しく灯の三つ...
View Article「船団」第99号(2013年12月)
「船団」(代表:坪内稔典)第99号(2013年12月)から。 特集は「船団100号物語」、居酒屋での放談会の模様など他誌ではあまり見られない乗りの記事。蜥蜴の尾トライアングルの音がして 小枝恵美子(特集「船団賞の人々」から)毛布かぶってUFOをかたる会 塩見恵介(特集「船団賞の人々」から)赤鱏というおとなしきものも喰ふ...
View Article「小熊座」2013年12月号
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2013年12月号から。 特集は「佐藤みね句集『薫風』」。 矢本大雪の俳句時評は「『異執』の世界」。大沼正明の句集で、これは私もアンケートで今年の収穫に挙げた。 神野紗希による冨澤赤黄男論の連載「『黙示』を読む」が今号の第23回で終了。 次号からは歌人佐藤通雅の「冨澤赤黄男『黙示』ノート」連載が始まる予定。五十年経てば霊水蝉の尿 高野ムツオ全身を耳にしてゐる毒茸...
View Article「麻」2013年11月号
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2013年11月号から。甘露煮の鰯を頭から崩す 嶋田麻紀羅に透けてすきなき女かな 田中幸雪うつし世の色となりけり古代蓮 川島一紀 *****************************************************Yello - Mean Monday
View Article「都市」2013年12月号
「都市」(発行編集:中西夕紀)2013年12月号から。鼻先に来てとんばうの脂顔 中西夕紀船室といふひと箱の秋夕焼冬の凪堆肥八百キロを撒く 大庭紫逢(招待作品)我すらも拒む密葬冬北斗石灯籠の小窓は四角秋日濃し 大矢知順子(特別作品)*****************************************************Pat Metheny & Jim Hall
View Article「堊」2013年12月号
「堊」(発行:高石直幸)2013年12月号から。 初見の雑誌。 「冬の句」欄に『新撰21』から拙句《まだ夢を見てゐる牡蠣を食ひにけり》が引かれたので送ってもらえた。 A5で36ページ。 創刊3年目となる2月号で飯田龍太特集を予定しているらしい。ポアンカレ予想のことをかじけ猫 高石直幸大字や小字や秋の女郎蜘蛛...
View Article「澤」2013年12月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2013年12月号から。平等院阿字池に来て鴨つがひ 小澤 實丈六の阿弥陀座しをる枯野かな隠元禅師いんげん煮豆おいしいです 大和寿美子秋灯やあぶればはぜる油揚 川上弘美マネの女貴族の鼻や秋うらら 白戸常子裸婦描く男五人や西日差す 髙村チカ子焼芋の匂いして芋見つからず 栗生鮭一匹軽く捌きぬ傘寿われ 後藤あき(物故)...
View Article「翔臨」第78号(2013年10月)
「翔臨」(編集発行:竹中宏)第78号(2013年10月)から。 シリーズ《わたしにとって「有季定型」とは》のまとめのような文章を彌榮浩樹が書いている。 《それぞれの文章を身につまされながら読みつつも、「ここには真に語られるべき大切なことが書かれていない」とも感じてしまった。》 《僕の俳句づくりにおいてさらに決定的に重要なのが「俳」だ。》...
View Article「ぶるうまりん」27号(2013年12月)
「ぶるうまりん」(編集:松本光雄、発行:須藤徹)27号(2013年12月)は、編集発行人だった須藤徹氏の追悼特集号となってしまった。116ページ。...
View Article「陸」2013年12月号
「陸」(発行:中村和弘)2013年12月号は創刊40周年記念特集号で238ページの分厚さ。 和田悟朗の特別寄稿「田川飛旅子俳句における人間性」、第2回陸評論賞受賞作品、加藤明虫「田川飛旅子の革新」他掲載。 《打ち上げの喫茶店で隣に座った田川飛旅子が「俳句は短いので何でも表現できてしまうから難しい」とポロリと話された。》(加藤明虫「田川飛旅子の革新」)列島の形にくびれ蓮根かな...
View Article「あすてりずむ」第4号(2013年12月)
「あすてりずむ」(編集発行・小早川忠義)第4号(2013年12月)から。 ネットプリント雑誌。 3人が作品5句ずつと短いエッセイを発表。 今回のゲストは今年句集『革命前夜』を出した澤田和弥。木枯らしの匂ひをつけて帰りけり 後閑達雄どの落葉にも笑ひ皺ありにけり 金子 敦はんぺんのごとくマスクの浮いてをり 澤田和弥風に鳴る高野豆腐や星あまた...
View Article「舞」No.44(2014年新年特別号)
「舞」(編集発行:山西雅子)No.44(2014年新年特別号)から。 印刷所に作ってもらった初めての号らしい。普段は家庭の印刷機で一冊ずつ手作りとのこと。横書きの手紙は父や榠樝の実 山西雅子金時計揺るるは眠し榠樝の実 藤田かをる月明のネットフェンスを握りしむ 小川楓子らくがきに縦断面図月を待つ小鳥来るベリータルトの赤と青 陰山 恵少年の声のさまざま木の実山...
View Article「LOTUS」第26号(2013年12月)
「LOTUS」(発行:志賀康・酒巻英一郎、編集:表健太郎・九堂夜想)第26号(2013年12月)から。 特集は「TranspoeticsⅡ X&俳句」。俳句と他ジャンル、他領域との交差から俳句の詩学を捉え直す試みの二回目で、前号のパート1では私も「断想」というのを寄稿していた(ブログには上げないままになっている)。...
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