【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part76
8月は松山に行ったり熊本に行ったり遠出が多かったこともあって、いつにも増して面倒なものを読んでいない。くたびれているときに飛行機などに持ち込むにはヒロイック・ファンタジーの類が向いているとわかった。 90年代のベストセラー、荒巻義雄『紺碧の艦隊』が全巻手に入ってしまったので今頃読み始めた。個人的にはそれまで愛読していた荒巻義雄の新作をいちいち追わなくなったきっかけとなった作品。 安井高志『詩集...
View Article【十五句抄出】関根道豊句集『地球の花』
2019年8月角川書店 『地球の花』は関根道豊(1949 - )の第1句集。序文:大牧広。 著者は「港」同人(「港」は6月号で終刊)。...
View Article「野郎共」第3号(2019年6月)
「野郎共」(発行:名古屋中学校・高等学校文学部、編集:難波朔矢)第3号(2019年6月)から。 今年、第22回俳句甲子園の審査に行って松山でもらってきた名古屋中学校・高等学校文学部の句誌。 もう辛いものは食べない猫の恋 原田 駿(「安曇野合宿連作」から) 以下、「部員自選句集Ⅰ」欄から1句ずつ。叩き潰した蚊がまた来た 大野啓祥その傷を覚えています夏蓬...
View Article【十五句抄出】吉田林檎句集『スカラ座』
2019年8月ふらんす堂 『スカラ座』は吉田林檎(1971 - )の第1句集。序文:西村和子、帯文:行方克巳。 著者は「知音」同人。...
View Article【十五句抄出】寺澤始句集『夜汽車』
2019年8月ふらんす堂 『夜汽車』は寺澤始(1970 - )の第1句集。跋文:依田善朗。 著者は「未来図」同人。 あれは火星これは金星あぢさゐ空間少年の骨の硬さや春の雷 長女「のどか」と命名聖書読む樹々に触れたる風のどかハードロックカーステレオに夏来る母とゐてケーキの苺崩したる選びたる赤きルアーや夏うぐひす 静岡 三句...
View Article【十五句抄出】ふけとしこ句集『眠たい羊』
2019年7月ふらんす堂 『眠たい羊』はふけとしこ(1946 - )の第5句集。 著者は「椋」「船団」所属。 嘴の痕ある椿ひらきけり鉄橋の三角三角春がくる 東日本大震災、句を求められたが…… 二句...
View Article【十五句抄出】若杉朋哉句集『朋哉句集 二』
2019年9月私家版 『朋哉句集 二』は若杉朋哉(1975 - )の第2句集。序文:岸本尚毅。限定100部。 著者は所属なし。...
View Article「セレネッラ」第20号(2019年9月)
ネットプリント誌「セレネッラ」(編集:中島葱男)第20号(2019年9月)から。 この号をもって終刊とのこと。 流星や螺鈿細工の硯箱 金子 敦水飲めばなくなる眠気ちんちろりん 中山奈々火を我に煙を天に大文字 中島葱男
View Article「紫雁」第17号(2019年9月)
開成学園俳句部の部誌「紫雁」第17号(2019年9月)から、全員一句ずつ。 重田渉(高一)は今年の第22回俳句甲子園の個人最優秀賞句《中腰の世界に玉葱の匂ふ》の作者。 以下、高三の作品。ぶらんこを降りれば昏き池袋 関口礼児 以下、高二、高一の作品。寒明や藥罐の底の鈍き金 佐々木柊風葬のごとく虫籠吊られけり 笹田陽太黄昏のはたてをひらく冷蔵庫 重田...
View Article【十五句抄出】寺田京子『寺田京子全句集』
2019年6月現代俳句協会 『寺田京子全句集』は寺田京子(1922 - 1976)の4句集『冬の匙』『日の鷹』『鷺の巣』『雛の晴』をまとめたもの。解題:江中真弓。後記:宇多喜代子。栞文:林桂。 著者は「水声」「水輪」「壺」「寒雷」「札幌文学」「杉」同人。 以下は有名句《未婚一生洗ひし足袋が合掌す》《日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ》以外から抄出。...
View Article【十五句抄出】金子兜太句集『百年』
2019年9月朔出版 『百年』は金子兜太(1919 - 2018)の第15句集(遺句集)。後記:安西篤。 声美し旅の隣の姫始め床の間に大蜘蛛垂れて羽黒山(はぐろ)なり朝食べるバナナ亡妻笑いおる 秩父盆地皆野小学校はわが母校。そこを訪ねて尿瓶を語る 五句...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part77
装幀として懐かしいものは眉村卓と筒井康隆の再読を除くと今回はそんなになかった。 新城貞夫『前奏曲―魂には翼がある』、日原正彦『詩集 降雨三十六景』、八木幹夫『郵便局まで』はそれぞれ版元または著者から寄贈いただきました。記して感謝します。...
View Article
More Pages to Explore .....