【十五句抄出】折笠美秋『北里仰臥滴々/呼辭記』
2019年10月鬣の会 『北里仰臥滴々/呼辭記』は折笠美秋(1934 - 90)著、寺田澄史編集による第4句集。解説:岩片仁次、あとがき:林桂。限定500部。 盃や無数の詩と友底に居り新宿にもシャガールの絵の夜空があり風あれば風と化し来る春の妻新緑を一枚妻に盗ませる蔦青くあり人の世に帰り道麵麭屋まで二百歩...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part79
11月3日、眉村卓死去。言葉もない。 平敷武蕉『修羅と豊饒―沖縄文学の深層を照らす』、たなかあきみつ『静かなるもののざわめき P・S―アンフォルム群Ⅱ』は著者または版元から寄贈いただきました。記して感謝します。...
View Article【十五句抄出】筒井祥文川柳句集『座る祥文・立つ祥文』
2019年12月私家版 『座る祥文・立つ祥文』は川柳作家筒井祥文(1952 - 2019)の遺句集。樋口由紀子編。...
View Article【十五句抄出】岸本マチ子句集『鶏頭』
2019年11月本阿弥書店 『鶏頭』は岸本マチ子(1934 - )の第7句集。 著者は「WA」代表。 六月の地軸はことに軋みおりかやつり草何故かここから出られない晩夏光まだ変身の途中です凍蝶はまっくらがりの音がする冬ざれて哲学している鍵の束さみしさの前後左右を春という春惜しむわたしの中にも駅がある軍港に鬼火のようなものがいて飛花落花ツタンカーメンの巨大な眼秋夕焼「まて」の姿勢の犬がいて枯蓮...
View Article【十五句抄出】守屋明俊句集『象潟食堂』
2019年11月角川書店 『象潟食堂』は守屋明俊(1950 - )の第4句集。 著者は「未来図」編集顧問。 次男炬燵出て腹筋鍛へ二十二歳アクターズスクール宜野湾の残暑光 三月十一日 東日本大震災...
View Article【十五句抄出】秋尾敏句集『ふりみだす』
2019年11月本阿弥書店 『ふりみだす』は秋尾敏(1950 - )の第5句集。 著者は「軸」主宰。 母の日のパンプス岸にたどりつく蓮の花夜更けて水になる少女大寒の鴨井に細き鬼の指 東武乗馬倶楽部 二句 より開花宣言鞭持つ少女ぞろぞろと長崎ちゃんぽん母の日が過ぎているいろいろな飛行機が来る夏の空罪科のしばらく軽しどんどの火 水木しげる氏追悼 二句...
View Article「夢椿」第9号(2019年8月)&「立志」(2019年10月)
「夢椿」(発行:洛南高校俳句創作部)第9号(2019年8月)から。 以下、部員1句ずつ。 スーツより雨の匂ひて半仙戯 井口葉子母校へは躑躅の蜜を吸ふために 弓電線を水のつたひて冬茜 中野葵青嵐付箋で辞書を埋めつくす 谷口卓也シーソーの調和乱れて花吹雪 数井稜二郎逃水を家族で追つてはぐれをり 鈴木奏大ラムネ瓶深き儚き音のする 山上莉央祭笛ぽつんとノート開きおり...
View Article【十五句抄出】水谷由美子句集『浜辺のクリスマス』
2019年12月角川書店 『浜辺のクリスマス』は水谷由美子(1941 - )の第2句集。 著者は「青山」「パピルス」同人。 叱りたるあとの寂しきしやぼん玉初夢に我が家見てをり旅にゐて聖堂の暗く涼しく一人かなベビースイミング終へし赤ん坊抱き取りぬ忘れ物に引き返さうか花ミモザ 郁余の長女...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part80
12月はびっくりするくらい本が読めなかった。ほぼ2日で1冊ペースにまで落ちた。 多忙よりも不調である。 安部公房『人間そっくり』新潮文庫・1976年《《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間なのか、あるいは人間そっくりの火星人なのか?...
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