【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part104
今年は例年に比べて通読できた冊数が100冊前後ほども減った。不調と老化か。 池田澄子『本当は逢いたし』は著者より寄贈を受けました。記して感謝します(本文中に出てくる大震災後に茨城で地震実況ツイートをしていた人というのは私のことらしい)。 装幀として懐かしかったのは佐野洋『白く重い血』、島田一男『終着駅』など。 司馬遼太郎、ドナルド・キーン『対談...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part105
90年代後半あたりから日本SFもあまり読まなくなってしまったので、ここに上げた山田正紀のミステリ2冊『阿弥陀』『氷雨』も古本屋で見かけるまで存在も知らなかった。 装幀が懐かしいのは福武文庫のレッシング『一人の男と二人の女』、ソノラマ文庫の辻真先『TVアニメ殺人事件』、角川文庫の山田智彦『重役候補』など。 檀一雄『美味放浪記』は持っているものをまた買ってしまったのでまた読んだ。 松林尚志『詩歌往還...
View Article【十五句抄出】龍太一句集『HIGH・QUALITY』
2021年11月飯塚書店 『HIGH・QUALITY』は龍太一(1943 - )の第2句集。序文:高野ムツオ、栞文:津高里永子。 著者は「郭公」「小熊座」会員。...
View Article【十五句抄出】寺町志津子句集『春は曙』
2022年1月朔出版 『春は曙』は寺町志津子(1939 - )の第1句集。序文:安西篤、跋文:川崎益太郎。 著者は「海原」同人。...
View Article【十五句抄出】原満三寿句集『迷走する空』
2021年10月深夜叢書社 『迷走する空』は原満三寿(1940 - )の第8句集か。解説:齋藤愼爾。 著者は「海程」「炎帝」「ゴリラ」「DA句会」を経て無所属。 萩みだれ古刹の庫裡に乳ぜり声風花が火の粉となりて娘(こ)となりぬ頬杖にときどきくるよ鮃の目残照の宙に翻車魚...
View Article【十五句抄出】林桂編著『俳句詞華集 多行形式 百人一句』
2021年12月鬣の会 『俳句詞華集 多行形式 百人一句』は林桂編著のアンソロジー。450部限定。 荻原井泉水潦に残る夕日繪本擴げをる露店 * 片平涙花子小鳥がぢつと雲のくづれる音をきいてゐる * 富澤赤黄男火を噴く山ははるかにて………草の芽 * 楠本憲吉胸の都 ただれ だれか 駆け抜け夢の輪 くずれ * 三好行雄炎ゆる 琥珀の神の掌(て)の...
View Article【十五句抄出】松本余一句集『ふたつの部屋』
2022年1月俳句アトラス 『ふたつの部屋』は松本余一(1939 - )の第2句集。序文:林誠司。 著者は「ひろそ火」「海光」会員。...
View Article有賀眞澄『愛密集』
2022年1月虹蜺舎 『愛密集』は有賀眞澄(? - )の句集。「衣」による写真収載。 あぢさゐから連れ出す少女のかはり玉花筏おぼれる人とおよぐ人ら変乱菊あかなく全裸いまそかりスカートで受け取る林檎の小躍りよ冬銀河ピアノはまこと打弦なり天無人蠍を癒すさそりの目朧夜のぞっこんといふ屍かな ※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
View Article「夢椿」11号(2021年8月)&「立志」(2021年10月)
「夢椿」(発行:洛南高校俳句創作部)第11号(2021年8月)から1人1句ずつ。 着ぐるみの眼の奥の暮秋かな 川田美紀呼び鈴のあちらへ響く夕立雲 釜江康太茄子洗ふ手に静脈の浮き出づる 山上莉央制服に手アイロンして卒業す 伊藤栞奈踏切の警告音や冬の暮 山本泰己新聞社の書き方の差や蝉の殻 古田優太郎 以下、OB、OG。話し終へるとひたひたのかき氷...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part106
丹羽文雄『蓮如』全8巻(中公文庫)を古本屋で揃いで見つけ、高校の帰りに寄っていた神立ブックセンターにあったななどと思いながら買ってしまったら、史料の古文漢文がほぼルビ無しで頻繁に引用される文体で、思いのほか時間を食った。その後はまた体調を崩して何も読めずにいる。 ブルーノ・エルンスト『エッシャーの宇宙』も高校がらみで、図書室に買ってもらったものの再読。...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part107
不調で何も読めない日が続き、眉村卓を何冊か無理矢理再読して復調。ケイブンシャ文庫の職場もののショートショート集はかなり久々の再読。 『こんにちは、花子さん』『頑張って、太郎さん』の2冊はどちらも前半がショートショート、後半がエッセイという構成。後に復刊された双葉文庫の『こんにちは、花子さん』は両方のショートショート部分だけを1冊にまとめたらしい。...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part108
寄贈頂いた句集をブログに上げる余裕がないのですが、全部拝読はしています。 中村真一郎『江戸漢詩 古典を読む20』岩波書店・1985年《漢詩文を愛読する著者が,自然,都市生活,家庭,愛欲,女流,海外などのテーマのもとに,江戸後期の作品から選びその世界を散策する.一句一句が詩人たちの肉声を聴くが如く響きはじめ,自由で豊かな精神が開けてゆく.》...
View Article【十五句抄出】伊藤春静句集『巡る』
2022年6月文學の森 『巡る』は伊藤春静(1957 - )の第1句集。序文:河内静魚、跋文:滝本結女。 著者は「毬」編集長。 空瓶をペンで叩けば春の暮蟋蟀のちよつと霊柩車のかたち輪唱のやうに数の子嚙む二人金融街をひとつに溶かす大夕焼正確な遠近法や夏館湖心へと差し込む光秋の声青空に包まれてをり冬の午後 母施設入居 二句...
View Article【十五句抄出】山田千里句集『ミルク飲み人形』
2022年6月ぶるうまりん俳句会 『ミルク飲み人形』は山田千里(1951 - )の第2句集。 著者は「ぶるうまりん」代表。 十五夜の機械のごとく介護するセーターに母の白髪がついているブリーフ一枚うつろな人間のおぼろ月母を抱き二月の空がうしろにある額縁からはみ出している夕焼け母の軽さよ 黒揚羽ゆく寒の雨玉葱の断層にいる少女あの人は嫌い...
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