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Channel: 閑中俳句日記(別館) -関悦史-
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【十五句抄出】山口昭男句集『木簡』

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山口昭男『句集 木簡』2017年5月
青磁社


 『木簡』は山口昭男(1955 - )の第3句集。

 作者は田中裕明に師事。「秋草」主宰。

 

 


鳥の目のぼんやりとある深雪かな


雪達磨天文台の坂道に


水の揺れとはあかときの蜩か


秋すだれ巻き直したる太さかな


正面に軍艦のあり爐を開く


つかのまのねむりのふかき十二月


笑ひたる赤子のごとき雪間かな


蛇の眼の草の色よりつめたきが


まるめてはすこしふくらむ紺水着


砂利道に遠足の列入りけり


一枚の布になりゆく干潟かな


而して祇園祭の雑魚寝かな


面妖に蝗は口を開きけり


水溜みんなきれいや菌山


一本の線より破れゆく熟柿

 

 

 


※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。

 

 

 

 

 


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