「豆の木」No.19(2015年5月)
「豆の木」(編集・代表:こしのゆみこ)No.19(2015年5月)から。川音が山のすべてや今朝の秋 太田うさぎマッサージチェアの三方雪明り 岡田由季雨立ち込めて昆虫展の奥に人 小野裕三弟のようにひまわりと並ぶ こしのゆみこスイッチを入れて始まる盆踊 斎藤朝比古モノレールだけに乗りたい夜のこほろぎ 髙橋洋子戦争は空気を走る銀の鹿 田島健一まだ若い冬将軍だなまっすぐ来る...
View Article「Es光の繭」第29号(2015年5月)
歌誌「Es光の繭」(編集発行:加藤英彦)第29号(2015年5月)から。 なお、この雑誌名「Es」の後の部分が毎号異なる。 特集は「ジャンルを越えて」で、筑紫磐井、広瀬大志、Es同人による共同討議「震災後の言葉のゆくえ」を掲載。猫の屍が小鳥と眠る姿より婚姻は次の世約束されむ 大津仁昭四十歳、昼の花火の煙かな 江田浩司殺したき一人とゆく蛍狩 松野志保始祖まつる廟の灯りきえて...
View Article【十五句抄出】高原耕治『四獸門』
2015年書肆未定 『四獸門』は高原耕治の第2句集。第1句集『虚神』以降15年ほどの作品を収める。 高原耕治は第2次「未定」の編集発行を務める。「書肆未定」の連絡先は著者の住所に同じ。 卍なす星雲腦髄の物質陣は崩れゐて *人面(ひとづら)を血祭にせよ死霊どもえの虚空擾乱 *牡丹雪の赤・黄・黒・白・青・紫しばし觀られ死す *真空艦隊つひに見ゆうねりて白き念誦の沖...
View Article【十五句抄出】清水喜美子句集『風音』
2009年深夜叢書社 『風音』は清水喜美子(1923 - )の句集。先に句文集『末黒の大地』があるらしいが、句集としてはこれが最初か。 清水喜美子は「海程」同人。 句集の序文・跋は金子兜太、寺井谷子、田中亜美、齋藤愼爾。...
View Article「セレネッラ」第4号(2015年6月)
ネットプリント誌「セレネッラ」第4号(2015年6月)から。 参加3人の各6句と短文、それぞれの《夜》を掲載(短文にも反歌的な句がついているので1人計7句になる)。コピー機の硝子に映る新樹かな 金子 敦梅雨冷の壁より祈れまたは吐露 中山奈々ほたるの孤ほたるの独を離れけり...
View Article「香天」2015年5.6月号
「香天」(編集発行:岡田耕治)2015年5.6月号から。それからは悟朗の未来風車 岡田耕治体重のかからぬほどに鳥交る白墨のやうな灯台花菜風 金子 敦(招待作品)ゼムクリップからむ蛙の目借時 杉山久子(招待作品) 亡父また手暗がりからあらはるる 安田青彦(特別作品)百歳や脳の小箱がひらく音 いつせいに柱の燃ゆる都かな...
View Article「里」2015年4月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2015年4月号から。 二ヶ月強の遅刊。肉片を返すがごとく畑打てり 島田牙城オカメインコの舌のぶ厚く雛祭 喪字男春塵やピザ屋の壁の絵のサラミ 佐藤文香花桃やわが眼に舌を入れし母 男波弘志ぜんまいの上にも空があつて山 上田信治卒業の朝の給水塔に錆 中山奈々二度読んで二度分からぬよ春炬燵 津田このみひととせを濡れつづけたる氷柱なり...
View Article「麻」2015年4月号
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2015年4月号から。「暫」は花の境内中村座 嶋田麻紀かたまりてこけし並びに福寿草 飯村周子春立つやピアノの足を日のすさる 百瀬ひろし *****************************************************Micki Piperno - Round Midnight ( Thelonious Monk...
View Article「麻」2015年5月号
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2015年5月号から。みちのくの天守小振りや花は葉に 嶋田麻紀櫱のサグラダ・ファミリアめく銀杏 松浦敬親金星を支へて凹む春の山 佐藤たけお三月や花束めきて夜の電車 鹿志村のぼるうぐひす餅どこつまみても歪みけり 坂内時子極楽寺へと向かふ避難路春の浜 草野大作...
View Article「秋草」2015年6月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2015年6月号から。種蒔いて仏壇の灯の近さかな 山口昭男この火事は付火と言うて畑を打つ一筋の線となるもの鳥曇 立川由美子潮まねきさしたることもなく走る 橋本石火戦争を知らぬ存ぜぬ山笑ふ 横内正人白梅や水ぎはにゐるけはひして 三輪小春蝌蚪掴む少年の指ピアノ弾く 松田サダ五年経てまたの五年や春の水...
View Article「出航」2015年5月号
「出航」(発行:石川久、代表:森岡正作、編集:堀口希望)2015年5月号から。枯野来て枯野を帰る種付け師 森岡正作日本は富士に統べらる菜の花忌サンドイッチ切れば鮮し春隣 鏡渕 操神木に戦禍痕あり虎落笛 鈴木浩子白居易を吟ずることも明けの春 大森春子クレソンを大束にして道の駅 長田青蟬ホチキスのひと噛みごとに冴ゆるかな 菅原健一緑蔭に憩ふピエロの無表情 金子...
View Article「連衆」No.71(2015年6月)
「連衆」(編集:谷口慎也)No.71(2015年6月)から。 今号の巻頭言は夏木久。ただならぬ春や春です体操す 柿本多映(招待作家)川内原発・本格芋焼酎有り〼(マス)暮らしのなか排気筒は空を指す 鈴木瑞恵(招待作家)ワタシからいつかタワシへ移行する 佐藤みさ子(招待作家・川柳)蛸と少年見つめあひつつ磯遊 石原 明(招待作家)おぼろ夜の二階に鱶の棲みつきぬ...
View Article「古志 青年部作品集 2015」古志青年部作品集第4号
「古志 青年部作品集 2015」古志青年部作品集第4号(2015年6月)から。夜濯や大き宇宙の隅つこで イーブン美奈子餅背負つてあれよあれよと人波に 石塚直子猫の子となりてお側に仕へたし 市川きつねつぎつぎと雲が飛びゆき冬に入る 岡崎陽市子どもらのあぎと美し卒業歌 金澤諒和底に足つきかけてまだ蛙の子 関根千方大鯰ぽかりと叩きたき顔の 西村麒麟背中より父に似てくる裸かな...
View Article「紫」2015年6月号
「紫」(発行:山﨑十生)2015年6月号から。 巻頭の「龍門集」(主宰を含む同人作品欄)は、一句鑑賞を誌上に連載中なので省略。スケッチの三枚目が好き蕗のとう 細井美人かたつむり思案のつむり振りながら 山田望都江雪降っているかもしれぬ湖の中 新井富江 *****************************************************仏の顔もIt's...
View Article「鷹」2015年7月号
「鷹」(発行:小川軽舟)2015年7月号から。 小川軽舟の講演録「藤田湘子が遺したもの」前篇掲載。詩集売る書肆のガラス戸賀茂祭 小川軽舟目つむれば家しづかなり薔薇の雨元々は黄色いベンチ春の風邪 細谷ふみを待つうちに仕上る眼鏡うららけし 山本良明廃品回収荷台のテレビ花ふぶく 奥坂まや六月の風の夕を兎死ぬ 岩永佐保退屈に兆す狂気や蟹通る 髙柳克弘三鬼忌の宿の猫足ベッドかな...
View Article「秋草」2015年7月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2015年7月号から。燃ゆる火の奇妙なにほひ麦青む 山口昭男家系図をたどりし先に藤の花 橘こごみゆるやかに重なる春のキャベツかな 大西美帆家古りしこと白靴に音たてて 市川薹子夏蝶の灰の匂ひに羽休み 三輪小春どしどしと来て酒くさき夜水番 橋本石火三角の池丸い池柿若葉...
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