豆句集『みつまめ』その八粒目(2016年立夏号)
豆句集『みつまめ』その八粒目(2016年立夏号)から。 参加者は井上雪子、梅津志保、鈴木光影と吉野裕之。 蚯蚓焼かれていても跨いで出社せよ 鈴木光影マンゴーの静かなかたち私に 吉野裕之
View Article「船団」第110号(2016年9月)
「船団」(代表:坪内稔典)第110号(2016年9月)から。 特集は「わたしたちの俳句生活」。他に第8回船団賞の発表あり。 冨田拓也「ライトヴァースの行方―『関西俳句なう』」他掲載。 トラックのAMラジオ漏れて冬 早瀬淳一(船団賞受賞作から)弁護士と判事の夫婦蚊は一匹 小西雅子(船団賞候補作から)風船の中へ戻れぬ子供たち 河野けいこ(船団賞候補作から)右眉をムーと名づけて夏が行く...
View Article「友遊館句会合同句集(1)」(2015年4月)
「友遊館句会合同句集」(監修:松浦敬親、編纂(代表):樽本勲)」の第1集(2015年4月)から。 夢告あり出(しゅつ)アフリカとなる旱 松浦敬親微生物が星なら我が身銀河成す高原の空気かろくて赤とんぼ 樽本いさおアスファウトの継目継目に冬の苔 玉生志郎乾きたるアフガン思ふ柚子湯かな 鈴木正昭自由とは孤独なりけり花の夜 清水静子男こそ裸体がよけれ蘇民祭 岡田久慧
View Article【十五句抄出】恩田侑布子句集『夢洗ひ』
2016年8月角川書店 『夢洗ひ』は恩田侑布子(1956 - )の第4句集。2008年夏から2016年春までの297句を収録。 作者は「豈」同人、「樸(あらき)」代表。...
View Article【十五句抄出】四ッ谷龍『夢想の大地におがたまの花が降る』
2016年9月書肆山田 『夢想の大地におがたまの花が降る』は四ッ谷龍(1958 - )の第4句集(『セレクション俳人22・四ッ谷龍集』を含めた勘定)。2008年10月以降の547句を収録。 作者は個人誌「むしめがね」編集発行人。...
View Article「We」第2号(2016年9月)
「We」(編集発行:西田和平・加藤知子)第2号(2016年9月)から。 主に九州の俳人、歌人による雑誌。 招待作家に宮崎斗士と中山宙虫が入っているが、宮崎斗士の20句は句集『そんな青』からの抄出らしい。中山宙虫の方は短文によると熊本地震に被災して以後の作品。 ぼこぼこの舗道を抱かれゆくメロン 中山宙虫(招待作家)梨むけば水音を追う夜の記憶浮腫という皮膚のめくれる春満月...
View Article「里」2016年9月号
「里」(編集:中山奈々、副編集:小鳥遊栄樹、同人会長:仲寒蝉、発行:島田牙城)2016年9月号から。 音、雨となるつかのまを色あらぬ血に湿りつつ蛸を切りゐき 小原奈実(「この人を読みたい」欄新作7首から)大年増とろろあふひのめくれかな 茶屋七軒ひんやりとパズルのような機内食 月野ぽぽな秋風の全体見せて歩道橋 上田信治ぎぼうしや氷を入れて桶暗き 堀下 翔
View Article「井泉」第71号(2016年9月)
歌誌「井泉」(編集発行・竹村紀年子)第71号(2016年9月)から。 招待作品は福田若之の俳句15句「なみだぐむ木」。 浮遊するシニフィアン夜店で撃つよ 福田若之(招待作品)知らない星にいつか咲く苔こんなふうになみだぐむ木か青桐はひかりが差し
View Article【十五句抄出】正木ゆう子句集『羽羽』
2016年9月春秋社 『羽羽』は正木ゆう子(1952 - )の第5句集。 はなびらと吹き寄せられて雀の子焼芋を割れば奇岩の絶景ありさすらひて峰雲へゆく牛の群...
View Article【十五句抄出】坂本宮尾句集『別の朝』
2016年9月図書新聞 『別の朝』は坂本宮尾(1945 - )の第3句集。 作者は「夏草」を経てその終刊後「天為」「藍生」に入会。...
View Article「紫雁」第14号(2016年9月)
開成学園俳句部の部誌「紫雁」第14号(2016年9月)から。 先月行われた第19回俳句甲子園のレポート「俳句甲子園奮闘記A」「俳句甲子園奮闘記B」なども載っていて(結果は開成Aが優勝、開成Bが3位)、130頁余のやや厚い冊子。 俳句甲子園で使われた句、さらには個人優秀賞を得た句も含まれるが、それ以外から優先的に、各人一句ずつ引く。 以下、高二。 扇風機売場を平原と思ふ...
View Article「静かな場所」No.17(2016年9月)
「静かな場所」(発行:対中いずみ)No.16(2016年9月)から。 離陸してすぐ靴を脱ぐ日永かな 北大路翼(招待作品)ノー残業デー目高が動かない 出る人も入る人もなき夏館 和田 悠花火師を乗せて夕波やや高く 対中いずみ青嵐死者みな高きところにゐ 満田春日洗顔のあとに夜明やほととぎす 森賀まり
View Article【十五句抄出】松枝真理子句集『薔薇の芽』
2016年9月ふらんす堂 『薔薇の芽』は松枝真理子(1970 - )の第1句集。序文:西村和子、帯文:行方克巳。 作者は「知音」同人。...
View Article【十五句抄出】高橋睦郎句集『十年』
2016年8月角川書店 『十年』は高橋睦郎(1937 - )の、略歴によると9冊目の句集。 摺足に白進み来る初山河逃ぐる追ふ小露大露遂に寄る (前書「七夕 二句」から)京都千年梅雨千年をふりにふる夏至即ち夏の最も暗き日ぞこの家の人死に絶えぬ葛嵐山の宿下駄濕れるは霧行きし十三夜活字放光一箇一箇水呑みし蚰蜒絢爛の歩を返す轢き癖の踏切梅雨を鳴りどほし秋の聲わが聲と知るひとりかな泳ぐ母見し唯一度夏送る...
View Article「日時計」No.1(1969年2月)
「日時計」(発行:坪内稔典)No.1(1969年2月)から。 ゆきがかりで攝津資子氏(幸彦未亡人)からまとめてお借りすることになった同人誌。 坪内稔典「俳句の構造(第一回)」を掲載。 この第一号のみ、句を出している作家全員の句を引く。 日曜午下シヨパン聴く児の脳冴えしか 赤尾兜子(「渦」主宰)眠る山繭シヤンペン雪に突きさして 微笑を下さい しゆりーんと鉄を切つたあと...
View Article「日時計」No.2(1969年5月)
「日時計」(発行:坪内稔典)No.2(1969年5月)から。 伊丹啓子「場面と状況―発見されるもの―」、中谷寛章「揺れながらの上昇―俳句方法論序説―」を掲載。 水にも北があつて波立つ兎の彩 五十嵐研三花粉が重い泥棒たちの腕の櫂 坪内稔典二月の牡蠣フライ 雪積るバリケード 攝津幸彦男の昏睡続く 海底を蟹流れ 沢 好摩
View Article「日時計」No.3(1969年7月)
「日時計」(発行:坪内稔典)No.3(1969年7月)から。 「シンポジユウム・表現と方法(第一回)●現代俳句の発想と方法/第三イメージ論を中心に」掲載。 空を無くした街 雑草研究会 穴井 太外科室と平行に美しい足袋の足 攝津幸彦制服ぬげばコスモスいっぱい従いてくる 三宅博子(「愛奴のために」から)追われる夢見て起きると 桜の散り始め 谷口昌子沼の婚姻 群れ合う蓮の青い旅...
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