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「里」2017年8月号
「里」（編集：中山奈々、副編集：小鳥遊栄樹、同人会長：仲寒蝉、発行：島田牙城）2017年8月号から。 見てゐると和金・蘭鋳どれも死体 青本柚紀ルービックキューブ下手なり桜桃忌 媚庵またたけば夏の外なる夜のすべて 佐藤文香滅びたる都のごとく花氷 仲 寒蝉
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【十五句抄出】黒澤麻生子句集『金魚玉』
2017年8月ふらんす堂 『金魚玉』は黒澤麻生子（1972 - ）の第1句集。序文：鍵和田秞子。 作者は「未来図」「秋麗」同人。 守宮出て夜が落ちてくる安ホテル 弟は寮より寮へつばくらめ 日焼け少年銀の指輪を武器のごと 消えさうで消えぬ蠟燭滝の前 湯を注ぐだけのもの食ひ寒の星 鎖骨出して歩くか雪の六本木 風を読むラガーの耳の尖りけり 黄金週間終はる大きな月出でて 秋刀魚食ふ江戸の大火を思ひつつ...
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「オルガン」10号（2017年8月）
「オルガン」（編集：宮本佳世乃、発行：鴇田智哉）10号（2017年8月）から。 片山由美子×田島健一の対談、浅沼璞×柳本々々の往復書簡あり。 生駒大祐は今号から同人を外れた。 メロンの模様とりのこされて浮かびあふ 宮﨑莉々香 蚊が脚をつかひ隣にをりにけり 宮本佳世乃 日焼図鑑くる子くる子が嘴だよ 田島健一 多く見て感じて夜が来て蛾来て 福田若之 火が紙にくひ込んでゐる麦の秋...
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「円錐」第74号（2017年8月）
「円錐」（編集委員：山田耕司・今泉康弘・澤好摩）第74号（2017年8月）から。 「第1回円錐新鋭作品賞受賞者最新作品」を掲載。 真っ黒な茄子に乗る父骨と皮 三輪たけし 春満月人間ぱかつと脱皮せぬか 後藤秀治（同人特別作品） 黒南風やジーンズ厚くまくりあげ 谷崎佳奈美（第1回円錐新鋭作品賞受賞者） 三姉妹我らサッカー雲でする 佐藤文香（第1回円錐新鋭作品賞受賞者）...
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「澤」2017年8月号
「澤」（発行：小澤實、編集：望月とし江）2017年8月号から。 タイヤ四つ重ね置きあり春の畑 小澤 實 蛸ウインナーにからまる遠足子の舌よ 這ふ蟲の昨(きのふ)忘れず蛾のあゆむ 高橋睦郎（季語練習帖） 遺品なる手帳に未来あをあらし 池田瑠那 知能進化し知性衰ふ葎かな 村越 敦 十メートルの昆布引き摺り浜に干す 嶋田恵一 「何かお気にさはりましたか」訊くＡＩや南風 中村 麻...
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「秋草」2017年8月号
「秋草」（発行編集：山口昭男）2017年8月号から。 ぼんやりと土に色あり蟻地獄 山口昭男 白南風や大きな襟の服選ぶ 蚊火更けてこんなに生きて書を読んで 三輪小春 楽しげに尾を振る牛や賀茂祭 椹木雅代 おほかたは色を持たざり夏の花 宗方やよい
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「社畜の嗜み」（2017年？）
第20回俳句甲子園の審査に松山に行って、高校の部誌を何冊かもらってきたのでその紹介。 「社畜の嗜み」は徳山高校文芸部の部誌のようなのだが、号数の表示も奥付も何もなく発行日は不明。 作品を出しているのは2名のみで、交互に四季順で数十句を載せている。 本文には作者名がなく、題名と目次を照らしあわせ初めてわかる。 すべての蜜蜂に名前をつけてやる 鎌田彩美 木瓜の花たとへば君のゐる身体...
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「掌上」VOL.78（2016年11月）
俳句甲子園でもらってきた部誌の2冊目。 「掌上」78（2016年11月）は松山東高校文芸部・俳句部の部誌。編集・加川遥日、発行・教諭 森川大和。 印刷所で作ったA5判、58ページの冊子。 文芸部の詩や小説と同居だが、俳句部も「吟行体験記」「俳句甲子園」などの短文を皆が書いている。 俳句部の部員は6人。各自の作品10句の下には、他の部員や顧問教諭の鑑賞文が付く。 短夜や大陸少しずつ動く...
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「野郎共」第1号（2017年8月増補）
俳句甲子園でもらってきた部誌の3冊目（これでこのシリーズ終わり）。 「野郎共」は名古屋中学校・高校文学部の句誌で、第1号増補版は2017年4月に発行されたのを同年8月に増補したもの。 学校の印刷室で作った冊子だがA5判、162ページの大冊。編集・牛田大貴、製作発行・名古屋中学校・高校文学部。 顧問自選14句に《優勝旗戻ることなく夏終はる...
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【十五句抄出】後藤比奈夫句集『あんこーる』
2017年8月ふらんす堂 『あんこーる』は後藤比奈夫（1917 - ）の第15句集。 作者は「諷詠」名誉主宰。 人形が言ひぬ読書の秋ですよ 抱へられ初湯に浸りゐる不思議 柱状節理板状節理冬怒濤 老の目を侮つて大綿ふはふは 百歳となりし今年の年の豆 一世紀何してをりし春逝くに 六月二十二日 立夫逝く手を握り笑つて露の訣れとは 初七日愚かやな祇園囃子に誘はれて 養老の瀧 三句...
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【十五句抄出】金田咲子句集『平面』
2017年8月ふらんす堂 『平面』は金田咲子（1948 - ）の第2句集。 作者は「郭公」同人。 友がふはりと極寒を来てかへる 花八ッ手隣家なまなましくありぬ くちなはに草のつめたき音すなり 鶏頭に夜ふけてたまる風の音 木の上に人がゐさうな九月なる 仏壇の菊しばらくはかたきかな 寒の最中に石を見て石に触れ 滝つらら相思相愛とはなれず 風邪の身を爽気きはだつ谿へ運ぶ 母の背後をあさがほが覆ふなり...
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【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part52
今月、前半は古本屋の閉店セールのときに買い込んだBL本の類を一日数冊のペースで消化していたのだが、後半、俳句甲子園のために松山に行って、帰ってきてから多忙と疲れでものの見事に一冊も読めなくなった。...
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「夢座」第176号（2017年8月）
「夢座」（発行人・渡邉樹音）第176号（2017年8月）から。 春の蛸愚忠愚忠と墨出して 佐藤榮市 善人がだんだん重い水中花 江良純雄 鴉にはオテなど無縁梅雨の朝 照井三余 丸坊主無間地獄なりサインポール 銀 畑二...
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「青群」第45号（2017年秋）
「青群」（発行：伊丹啓子、編集：伊丹啓子・小嶋良之・政成一行）第45号（2017年秋）から。 地球儀をそびらに吹くは しゃぼん玉 伊丹三樹彦（顧問作品） ＫＧべえ(カーゲーベー)独楽 プーチン氏の寄目 伊丹公子 遠景にバンジージャンプ 椿落つ 鈴木啓造 魯迅旧居の 薔薇にしゃがんで 眉描く妻 津田将也
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「紫」2017年9月号
「紫」（発行：山﨑十生）2017年9月号から。 誰か死に誰か生まるる夏座敷 山﨑十生 みなもととはいまだ薄闇花榊 若林波留美 脱皮するたび傷つきやすくなってゐる 森壽賀子
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「澪」2017年9月号
「澪」（編集発行：松林尚志）2017年9月号から。 するめのやうに冷房に冷え目覚む朝 松林尚志 歩きたし夢のなかなる蟻の列 阿部晶子 水平線の奥行を知る松の芯 山田ひかる（深林賞受賞作品より）
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【十五句抄出】泉沢浩志句集『青女月』
1999年9月私家版 『青女月』は泉沢浩志（? - ）の第4句集。跋：木下夕爾、畠山義郎、渋沢均。 作者は日本文芸家協会会員。 散る桜まみれの屍(かばね)かうたた寝か 種浸し水面の星も片寄せて 野火尽きしあたり火伏せの枝挿して 太虚(おおぞら)のこゑ混じりをり風車 子遍路のみるみる小さく近づけり 回転ドア春逝く町を小刻みに 水ゑくぼ生まれ止まずよ法然忌 蜻蛉の伴れにも影のなかりけり...
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【十五句抄出】志磨泉句集『アンダンテ』
2017年8月ふらんす堂 『アンダンテ』は志磨泉（1968 - ）の第1句集。序文：西村和子。 作者は「知音」同人。 風邪の子にごめんねと云はれてしまひ 汗の子の今日ね今日ねと息もつかず 団栗は青し大樹は横たはり 糸瓜忌や俳論交はし少年等 妬心とはかういふかたち曼珠沙華 野外劇果てし舞台や夏の月 放物線重ね航空路図涼し あれが君さう決めて見る寒オリオン 噴水に皆背を向けて昼休み...
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【十五句抄出】川井城子句集『定位置』
2017年7月本阿弥書店 『定位置』は川井城子（1944 - ）の第3句集。跋：中坪達哉。 作者は「人」同人。 コピーして紙が書類に建国日 毛虫にも逃げ足のあり信長忌 夕鐘や触れあふ対の糸桜 ぼろ市の母の形見に似たる帯 花残る高みに滝の生まれけり 屑かごの紙立ち上る芙美子の忌 河白く残して月の昇りけり 釣り上げし烏賊の呼吸の透きにけり きのこ鍋廊下の先に非常口 船酔ひは鯨の恋の濤の上...
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【十五句抄出】高橋龍句控『寶珠花』
2017年8月高橋人形舎・不及齋叢書 『寶珠花』は高橋龍（? - ）の句集。 マルクスのどすんどすんか春の地震(なゐ) クレソンに呉れさうもなき賞目指す たつぷりと暗き近江のかたつむり 祖母(おほはは)は伯爵夫人若桜 みづからを水から救う春の鮒 ふいふいの地を行く春の行方かな 一八や塗絵の猫に餌をやる あぢさゐやイクヤ折句にして遊ぶ 三鬼もドローンも穀象の群俯瞰せり 玉葱と人形の首ごちやまぜに...
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