【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part87
7月は後半全く何も読めなくなった。異様な長梅雨がこたえたのか。筒井康隆、バラードなど再読ものが多い。 装幀としては辰巳四郎が手がけた2点、高橋克彦『写楽殺人事件』、筒井康隆『男たちのかいた絵』と、西八郎による『心狸学・社怪学』などが記憶に焼きついている。...
View Article【十五句抄出】西村和子句集『わが桜』
2020年7月角川書店 『わが桜』は西村和子(1948 - )の第8句集。 著者は「知音」代表。 のどけしやからくり人形いやいやす母眠るばかり虫の音澄むばかりざざ虫を噛めば噛むほど草の味...
View Article【十五句抄出】大石悦子句集『百囀』
2020年7月ふらんす堂 『百囀』は大石悦子(1938 - )の第6句集。 著者は「鶴」「紫微」同人。 若水や天の真名井をあふれきし蹤いて来る犬遠ざけて蝉氷 長門市青海島向岸寺「有情」の銘の鯨墓あり有情とは鯨の胎子花樒桃に肘濡らしていまが晩年かのぼりきし冬のオリオンしたたりぬ芒原おほとりの影よぎりけり唄うたふ田螺もをるぞ海石榴市は老人が夜更したる虎鶫鶴繍ひし春着の躾糸を抜く 一月一日...
View Article高橋睦郎編 柿本多映句集『拾遺放光』
2020年8月深夜叢書社 柿本多映句集『拾遺放光』は先に出た『柿本多映俳句集成』(深夜叢書社、蛇笏賞)の「拾遺」部分に佳句の多いことに驚いた高橋睦郎が100句を撰した句集。『柿本多映俳句集成』以外では読めなかった句集未収録句の一部が廉価版で入手可能となった。 注文は深夜叢書社へ。 ほの白き笑ひの見ゆる冷蔵庫三伏の暗きところに金盥死なぬ気の鸚鵡が火事を囃しをり...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part88
8月も多忙と不調で後半はほぼ何も読めず。古本市等の積読本がなかなか消化できない。気付け代わりに眉村卓(角川文庫版は装幀木村光佑)ばかり再読している。モラヴィア『1934年』(装幀ヴィエーリ・ヴァニェッティ)がちょっと鈴木清順監督『陽炎座』のような出だしで面白かった。 『美しい日本語 荷風Ⅲ 心の自由をまもる言葉』は編著者から恵贈を受けました。記して感謝します。...
View Article「野郎共」第4号(2020年6月)
「野郎共」(発行:名古屋中学校・高等学校文学部、編集長:木村功汰)第4号(2020年6月)から。 以下、「部員自選句集・壱」欄から1句ずつ。空を青硬貨ばかりのお年玉 今野巧海石榴割るスタッカートの続く曲 鬼頭孝幸付箋みな使い果たして夏の星 三宅航暉毳立てるテニスボールや枯野原 木村功汰手の平と甲に境目春眠し 篠原圭太...
View Article「紫雁」第18号(2020年9月)
開成学園俳句部の部誌「紫雁」第18号(2020年9月)の「紫雁集Ⅰ~Ⅲ」から全員一句ずつ(この他に新入生=中一の3句欄「紫雁集Ⅳ」と「顧問の俳句」欄がある)。 以下、高二の作品。ラジコンの少年とゐるはこべかな 重田 渉ねむるにも疲れて明日へと泳ぐ 垂水文弥 以下、高一の作品。一息と蛍を数へたくなりぬ 荒川力也破りたきひかり障子を貼り終へて 佐伯冴人向日葵の総斃れなる空かがやく...
View Article【十五句抄出】甲斐のぞみ句集『絵本の山』
2020年7月ふらんす堂 『絵本の山』は甲斐のぞみ(1973 - )の第1句集。序文:太田土男、跋文:森賀まり。 著者は「百鳥」同人。...
View Article【十五句抄出】秦夕美句集『さよならさんかく』
2020年9月ふらんす堂 『さよならさんかく』は秦夕美(1938 - )の第17句集。 著者は「豈」同人、個人誌「GA」発行。...
View Article【十五句抄出】宮坂静生句集『草魂』
2020年9月角川書店 『草魂』は宮坂静生(1937 - )の第13句集。 著者は「岳」主宰。 恐竜のうんこの化石こどもの日白鳥を食べしことなど捕虜の夏でで虫の飛び発つ夢を見よ母子湘子忌や暗礁(いくり)の怒濤手向けたし憲法に鋼の勁さ麦熟るる秋の蛇地球流体感に充ち鶏頭は仆す外なし曠野たり稲滓火(いなしび)の頃父荒れしわれも父...
View Article【十五句抄出】田上比呂美句集『休暇明』
2020年9月ふらんす堂 『休暇明』は田上比呂美(1956 - )の第1句集。序文:小川軽舟、跋文:布施伊夜子。 著者は「鷹」同人。...
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