「船団」第100号(2014年3月)
「船団」(代表:坪内稔典)第100号(2014年3月)から。 特集は「再びひとり旅」で会員の半ページほどのエッセイ多数。雲は秋キリンとカバに会いにいこ 藪ノ内君代パスタ巻くたび寿命は縮む白昼夢 山本たくやカフェオレが飲みたくなる日桐一葉 一門彰子サドルだけ盗まれた日のちちろ虫 植田かつじ兜煮に狼藉いたる秋の暮 内田美紗画集見る少年の目の秋の川...
View Article「陸」2014年3月号
「陸」(発行:中村和弘)2014年3月号から。白鷺を数羽従え耕せり 中村和弘樹氷林未来のごとく人拒む舟小屋は流砂に埋もれ春立てりわれだけの音になるまで落葉踏む 小菅白藤風邪引いて夜空へ落ちてゆく心地 泉風信子冬夕焼空のどこかで不協和音 木下弘子秋深し転車台ある津山駅...
View Article「里」2014年3月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年3月号から。 特集は「瀬戸正洋『B』に赤いちゃんちゃんこを着せる」。 他に「【一挙掲載 中編評論35枚】堀下翔 人間詠を探る―草田男を中心に」。カツ丼に松竹梅あり余寒かな 瀬戸正洋(特別作品20句)蒲公英のうへにパトカー消防車啄木忌診察券に診察日クリップがクリップを咬む春の闇 水口佳子タキ1000型貨車地吹雪を内陸へ...
View Article「円錐」第60号(2014 Spring)
「円錐」(編集委員:澤好摩・橋本七尾子・山田耕司・今泉康弘)第60号(2014 Spring)から。 特集は「困った一句とは」。猫のびをしてのびきりて月の形(なり) 江川一枝木枯を抜け集まりし土鈴かな 橋本七尾子それとなく林檎を磨き持ち歩く 荒井みづえ温(ぬく)にした部屋横切りぬ虫二匹 矢上新八うどん屋までだんだら坂の大満月 澤...
View Article「小熊座」2014年3月号
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2014年3月号から。帽子屋の帽子の未来雪が降る 高野ムツオ福島は骨盤吹雪無尽蔵宇宙には隅などあらず寒の鯉ただ凍る生が奇蹟と呼ばれし地はみ出せるティッシュ雪嶺のかたち 増田陽一独楽はいま風の峠にあるらしく 中井洋子氷海の大鮃もわれも傘寿すぎ 佐々木とみ子水飲んできて雪塊を割るちから里芋のとろりと煮えて恋となる 大久保和子漂泊を終えて梟になりしかば...
View Article「藍生」(編集発行:黒田杏子)2014年3月号
「藍生」(編集発行:黒田杏子)2014年3月号から。 特集は「3・11から3年」。山崎祐子(福島県いわき市)、結城良一(福島県)、菊田島椿(宮城県気仙沼市)が寄稿。 山崎祐子は「プロジェクト傳」の活動を紹介。私も何度かいわきツアーに参加させてもらっているが、来たる4月19日、20日に東京・上野で復興展とじゃんがら念仏実演を行うとのこと。死ぬるまで群れてをりけり冬の蜂...
View Article「草樹」50号(2014年3月)
「草樹」(草樹編集部編集/吉田成子発行)50号(2014年3月)から。セーターの胸に百日目の赤子 宇多喜代子冬かすむ幽霊坂に二人して 沼尻巳津子白葱の一本だけを買ひにゆく 大北祐規惠さまざまの模様皿おく聖夜かな 岸本 弘葱掘つてすぐ昏くなる潟明り 高野美代子山道に人の声して帰り花 竹村英子大根引く活断層を宥めつつ 中條千枝十一月出雲に箸を買ひにけり...
View Article「澤」2014年3月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2014年3月号から。 巻頭に《「五十歳以下の俳人一句鑑賞」原稿募集のお知らせ》あり。今年の7月号で特集「五十歳以下の俳人」を組むとのこと。厚切の焼き鰆の身二枚立つ 小澤 實ハムカツの断面に緋や冬館ものゝ芽の萬億(まんのく)のなか老ィ新た 高橋睦郎パピルスのエジプト絵文字眼冴ゆ 大和寿美子アトムいまも人類(ひと)の味方か冬銀河...
View Article「夢殻集―らんの会2014」
「夢殻集―らんの会2014」は「らん」の有志13名による未発表各30句の作品集。あなたからこなたへ移すだけの人品 五十嵐進野ざらしのブルーシートで孵化するか蝶内臓に浸み出してくる冬の雨夕暮れや水より深く光るもの鱒寿司などと柴漬け食べつ泳ぎをり 海上晴安豊かにも静かに老いて草を刈る煮崩れを皿につくろひ夏了る 片山タケ子半眼に除夜の鐘きく雷魚かな風船のあつまつてくる徒手空拳...
View Article【告知】明日、第4回芝不器男賞公開選考会
明日、第4回芝不器男俳句新人賞の公開選考会が行われる(於・産業技術大学院大学、午後4時選考開始)。 生駒大祐がユーストリーム中継を担当する。 中継のアドレスは本人が明日ツイッターから告知してくれるのではないか(というかしてもらう)。...
View Article【告知】「ku+(クプラス)」創刊
「ku+(クプラス)」創刊号(2014年3月)がやっと出ました。 発行人:高山れおな、編集人:高山れおな、山田耕司、上田信治、佐藤文香(会計担当)。 参加メンバー:依光陽子、阪西敦子、関悦史、谷雄介、福田若之、生駒大祐、杉山久子、古脇語、野口る理。 インタビューイとして漫画家・アキヤマ香(『ぼくらの17-ON!』作者)、俳人・鈴木明の両氏。...
View Article「井泉」第56号(2014年3月)
歌誌「井泉」(編集発行・竹村紀年子)第56号(2014年3月)から。 招待作品に和合亮一の詩「詩ノ黙礼」。 リレー評論「現在の批評はどこにあるか」、今号は広坂早苗と喜多昭夫。 国見朝子歌集『海光』評に小島ゆかりと喜多昭夫。 蜂蜜入りパンかじりゐる冬の午後原発もテロもとんと忘れて 山本令子「痩せたね」の一言きけばいかにせんおだやかならずわれ癌病みて...
View Article「静かな場所」No.12(2014年3月)
「静かな場所」(発行:対中いずみ)No.12(2014年3月)から。大榾に花活けありぬ利休の忌 瀧澤和治喉あいて飲みものとほる露台かな 森賀まり掃除機を後ろに曳いて青葉冷突ッついて裏返してや京の甘鯛(ぐぢ) 和田 悠木の股に分け入りひらく芭蕉かな 対中いずみ立子よく肩凝つてをり冬薔薇天牛を摑めば螺子の巻き上がる 満田春日原稿料入れば旅へ花柊水仙や運動靴は泥まみれ 木村定生...
View Article「あざみ通信」NO.12(2014年2月)
川柳作品集をよく出しているあざみエージェントのPR誌「あざみ通信」NO.12(2014年2月)から。美味しいね耳も尻尾もついている 今井和子キリンが覗く二階の部屋は仕事部屋 *****************************************************Brahms: Piano Concerto I (d) (Hélène Grimaud, SWR...
View Article「梟」2014年3月号
「梟」(発行:矢島渚男)2014年3月号から。民族にかぶさる国家冬深む 原 雅子野火観るに蝙蝠傘を提げきたる 田代青山春炬燵十坪の山荘設計図 藤井 恵ライト浴び雪像の裏蒼き闇 鈴木アツ子持ち歩く線量計や雪に置く 尾関くに子ただならず社務所古りたる隙間風 御子柴弘子空瓶にクリオネ五匹流氷来 土佐 稔火事跡の仏間に垂るる氷柱かな 野口和男酒の銘「唯我独尊」猪の鍋...
View Article田吉明『幻燈山脈』
2014年霧工房 田吉明『幻燈山脈』は一句から数句(多くは二、三句)をひとまとめにして「組曲」とし、それぞれに章題を付した作品集で、句集というよりは五七五の緩やかな連続による抒情詩集といった趣き。前作品集『錬金都市』(2013年)と同じ構成法。田吉明は国語国文学者・川端善明の筆名。『楕円律』同人。 白き鳥墜つ...
View Article「あすてりずむ」第5号(2014年3月)
「あすてりずむ」(編集発行・小早川忠義)第5号(2014年3月)から。 ネットプリント雑誌。 3人が作品5句ずつと短いエッセイを発表。 前回に続いて澤田和弥が参加。新築の庭に小さき桜かな 後閑達雄蝶去りてまつりのあとのやうな午後 澤田和弥FAXのぢぢぢぢぢぢと冴返る 金子 敦雛飾るレジとレジとの谷間にも...
View Article「川柳カード」5号(2014年3月)
「川柳カード」(発行:樋口由紀子、編集:小池正博)5号(2014年3月)から。 特集は「伝統へ 伝統から」で筒井祥文、くんじろう、井上一筒、小池正博の論考を掲載。 小池正博の連載「川柳論争史(5)」は「柳俳異同論争」。新札の滑り具合も気象庁 草地豊子グッゲンハイムの吊眼な人のこと 井上一筒父・血・血血・血血血・血血血血・血血血血痴 きゅういち振り向くと時計の振り子はにしきへび...
View Article「秋草」2014年4月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年4月号から。となりはや雫してをり草つらら 山口昭男氷柱より光のぬけていくところ麦踏のそのまま寺へ入りけり古文書にひびきありけり冬木立 大西美帆(特集 秋草の作家10句より)夏雲に見られてゐたる豆腐売 橋本石火(特集 秋草の作家10句より)寒中の櫻貝もて見舞ふかな 市川薹子こふのとりよく来る家や春隣 立川由美子部屋よりも寒き蒲団に入りけり...
View Article
More Pages to Explore .....