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Channel: 閑中俳句日記(別館) -関悦史-
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【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part76

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 8月は松山に行ったり熊本に行ったり遠出が多かったこともあって、いつにも増して面倒なものを読んでいない。くたびれているときに飛行機などに持ち込むにはヒロイック・ファンタジーの類が向いているとわかった。

 90年代のベストセラー、荒巻義雄『紺碧の艦隊』が全巻手に入ってしまったので今頃読み始めた。個人的にはそれまで愛読していた荒巻義雄の新作をいちいち追わなくなったきっかけとなった作品。

 安井高志『詩集 ガヴリエルの百合』は版元から寄贈いただきました。記して感謝します。

 

 

谷譲次『踊る地平線』谷譲次『踊る地平線』教養文庫・1975年
《がたん! ――という一っの運命的な衝動を私たちにつたえて、東京発下関行急行は、欧亜連絡の国際列車だけに気取った荘重さのうちに車輪の回転を開始した。下関、釜山、ハルビン……万国寝台車の窓に踊る、踊る、地平線!》

収録作品=踊る地平線/テムズに聴く/ノウトルダムの妖怪/血と砂の接吻/しっぷ・あほうい!/長靴の春/白い謝肉祭

 

 

 

 


安井高志『詩集 ガヴリエルの百合』安井高志『詩集 ガヴリエルの百合』コールサック社・2019年
《安井高志という詩人は、自己の経験した自然や事物や他者存在などの魅力を豊かな神話的イメージに変換しうる、ある意味で天性の存在論的抒情詩人であったと感じた。『ガヴリエルの百合』に収録された二二五の詩篇は、どの詩もシャープな言葉で内面の奥深いところからあっさりと掬い上げられたように響きわたり、それらは魂の在りかとして五章に分類されている。(鈴木比佐雄「解説」より)》

 

 

 

 


森村誠一『蟲の楼閣』森村誠一『蟲の楼閣』角川文庫・1978年
《政府民友党の大物、小田切篤成。要職に在任中、たっぷり甘い汁を吸った悪徳政治家である。しかし、その強大な権力の牙城にいま、一匹の虫が寄生し、侵蝕を開始した!
 就職難に喘ぐ線引小次郎は、ようやく菱井産業開発という会社に入社した。東北専門に土地を買い占める奇妙な不動産会社で、陰の経営者は小田切と密接な関係の女傑和村園枝らしい。業務内容に不審を感じた線引は、卑劣で強引な買収の仕事に反感を抱く同期入社の立川と共に、潜かに内情を探り始めた。だが……。
 国家に巣喰う巨大な害虫を痛烈に告発した政治推理小説の傑作!》

 

 


長野まゆみ『賢治先生』長野まゆみ『賢治先生』河出文庫・2003年
《少年たちを乗せた汽車は、ひたすら闇のなかを疾ります……ケンタウリ祭の晩に汽車に乗ったジョヴァンナとカンパネッラ。旅の途中で二人と乗り合わせた宮沢賢治。少年たちとの蒼白い銀河交流の行方は?》

 

 

 

 

 

 

 

 


眉村卓『異郷変化』眉村卓『異郷変化』角川文庫・1976年
《旅先での思いがけない出会い。それは人の心に深く刻み込まれ、いつしか美しい思い出として形づくられる……。
 が、このいくつかの物語の出会いはみな、普通の出会いとは異なっていた。なぜか女たちは不思議な魅力をたたえ、彼女らに会った男たちはその瞬間から妖気あふれる幻想世界へと引きずり込まれてしまう。あなたにもいつか、こんな出会いに恵まれる日が来る……。
 眉村卓が、叙情豊かに描く、妖奇幻想の物語集!》

収録作品=須磨の女/奥飛驒の女/風花の湖西線/空から来た女/中之島の女/銀河号の女/砂丘の女

 

 


加納邑『ド麗な執事様』加納邑『ド麗な執事様』もえぎ文庫ピュアリー・2010年
《日本屈指の大富豪・高屋敷家の二男の透に、イギリス人の血を引く美麗執事・アーサーが専属執事としてつけられる。ワガママいっぱいに育ってきた透は、執事に四六時中付き添われては自由を奪われかねないと、アーサー追い出し計画を実行! Hに迫れば出ていくだろうと思い、アーサーにキスを仕掛けるが、逆に彼の本能に火をつけてしまって…!? ピュア系ワンコ執事×小悪魔系ツンデレ坊ちゃんの超スイート❤デイズ。》

 

 

 

 


大江健三郎『キルプの軍団』大江健三郎『キルプの軍団』岩波書店・1988年
《高校生の「僕」は、刑事の忠叔父さんとディケンズの小説『骨董屋』を読み進めていくうちに、とてつもない「事件」に巻きこまれてしまう。――人間の悪と罪、そして「ゆるし」、「癒し」とは何かを追究した大江文学の結晶。》

 

 

 

 

 

 

 


赤江瀑『アンダルシア幻花祭』(単行本)赤江瀑『アンダルシア幻花祭』講談社・1980年
《哀切華麗な妖美の世界
スペイン南部・アンダルシアの地で知った青春の痛みと悲しみ――ひまわりの花が咲き揺れる明るい陽光の下、異国の妖しい魔性に魅入られた若い日本人男女がたどる悪夢のような悲恋劇を描く。》

収録作品=アンダルシア幻花祭/刀花の鏡/五月の鎧/音楽室の岬/獣心譜

 

 

 

 

 


高橋たか子『過ぎ行く人たち』高橋たか子『過ぎ行く人たち』女子パウロ会・2009年
《人の心の奥底にある、個人的経験を超えた普遍的な無意識の世界を旅する、とでもいう、夢幻的・象徴主義の純文学。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 


栗城偲『きみはぼくのつがい』栗城偲『きみはぼくのつがい』ガッシュ文庫・2018年
《オメガであるがゆえに両親から敬遠され、高校生で一人暮らしの遙。そんな遙の目下の悩みは、ストーカー被害に遭っていること。それを5才下の弟・都に知られると、遥に懐いている都はボディーガードをすると言ってきた。助っ人として連れてきたのは、地元名士の子息でアルファの少年・嗣英。出会い頭に「俺と付き合わない?」と迫られびっくりするが、小学生なのに大人びていて甘い匂いがする嗣英に遥はどきどきさせられて…!?》

 

 

 

 


ムラディアン『アーシル・ゴーキー―ある異邦人との対話』カーレン・ムラディアン『アーシル・ゴーキー―ある異邦人との対話』PARCO出版・1982年
《魂の画家ゴーキーの死・夢・創造
1930~40年代、異邦の魂をもってアメリカ現代美術の開花期を先駆した神話的画家ゴーキー(1904~1948)。自殺によって終止符をうった美の漂泊者の足跡を辿る。ゴーキーを語ることがいま現代美術を語ることである。
本邦初公開作品群60余点一挙収録》

 

 

 

 

 


大江健三郎『文学ノート―付・15篇』大江健三郎『文学ノート―付・15篇』新潮社・1974年
《それは具体的に『洪水はわが魂に及び』を書きすすめる作業の、いちいちの時点において、実際にその小説を書いている自分自身を分析した臨床報告である》(「このノートのためのノート」より)

 

 

 

 

 

 

 

 


小松左京『さらば幽霊―自選短編集』小松左京『さらば幽霊―自選短編集』講談社文庫・1974年
《妙なやつだと思っているんでしょう?」見知らぬ青年が不意に話しかけてくる「さとるの化物」。冥土と現世の旅行自由化にともないワッと押しよせた幽霊観光団が大混乱をひきおこす表題作。ほかに「比丘尼の死」「保護鳥」など、恐怖と幻想にみちた非現実の世界に読者をいざなう著者自選の怪奇小説11編。》

収録作品=さとるの化物/霧が晴れた時/花のこころ/安置所の碁打ち/ムカシむかし……/比丘尼の死/忘れられた土地/保護鳥/さらば幽霊/海の視線/骨

 

 

 


吉行淳之介『童謡1』吉行淳之介『童謡1』集英社文庫・1982年
《ひとつの童謡に触発され、一行、一句が核となり、ふくらみ、分裂し、さらに増殖して、みごとな作品になった。各編巻頭に想を得た童謡を掲げて、類ない試みをした傑作群のうち「童謡」「白い半靴」「錆びた海」「寝台の舟」「海洽いの土地で」を収録。無心に描き上げた“ねむの木学園”の子どもたちの絵と融けあい鮮烈な童心を伝えるカラー版絵本。 解説・開高健》

収録作品=童謡/白い半靴/錆びた海/寝台の舟/海沿いの土地で

 

 

 


吉行淳之介『童謡2』吉行淳之介『童謡2』集英社文庫・1982年
《「鳥獣虫魚」「雙生」「香水瓶」「不意の出来事」……一冊の小さな童謡集の中の一篇、あるいはその中の一句に魅かれて書かれた世評高い傑作群にねむの木学園の子供たちの絵が出合い、純粋で無垢な童心を鮮烈につくりだしたカラー版。第2集。 解説・千葉宣一》

収録作品=鳥獣虫魚/雙生/香水瓶/不意の出来事

 

 

 

 

 


田中文雄『魔海戦記』田中文雄『魔海戦記』カドカワノベルズ・1984年
《十二人の子供を惨殺し、サムソンの子ノバをさらっていった大魔王エグザイル。海の神ダゴンを封じ込め、冥府を支配するエグザイルの狙いは何か。ノバの奪還と、子供たちの復讐のため、サムソンは魔界城へ向け旅立った。だが、その行く手には、さまざまな魔性の剣士や、禍々しき罠が待ち受けていた。サムソンの刃は、邪悪を葬り、この世に正義をとりもどせるか。幻想と怪奇の世界に繰り広げられる冒険スペクタクル長篇。》

 

 

 

 

 

田中芳樹『夢幻都市』田中芳樹『夢幻都市』トクマノベルズ・1988年
《北海道にある日本最大の夢の山岳リゾート都市ウラル。SF作家の相馬邦生は講演の代役をたのまれ、娘の葉月をつれてこの地を訪れた。原始林のなかにそびえる六つの摩天楼、贅を尽した施設を完成させたのは、東堂コンツェルンの第三代総帥の東堂康行、総支配人は甥の伸彦である。彼らに招かれた客は、学者、評論家の有名人で、この巨大な人工都市に胆をつぶした。その夜、葉月は長い廊下で黒褐色の毛と黄玉色の瞳をもつ獣の群れを目撃した。「狼!?」。圧倒的人気の田中芳樹が鮮烈に描くホーンティッド・ストーリの最新作!》

 

 

 

 


吉行淳之介『対談 浮世草子』吉行淳之介『対談 浮世草子』集英社文庫・1980年
《男と女の複雑にして微妙、厄介この上ない関係を粋なめがねで透視して、一見ワイ談風の語り口のなかに、厳粛な人生を語りつくす。対談の名手・吉行淳之介が本領をいかんなく発揮した、天の下に語りつぐべき名問答。“いろは”48人登場の傑作対談集。    解説・青柳茂男》

 

 

 

 

 

 

 


森下一仁『宇宙人紛失事件』森下一仁『宇宙人紛失事件』徳間文庫・1984年
《異星から帰還途中、宇宙人と遭遇した宇宙船の乗組員から新聞記者が聞いたとても怖い話――。金儲け話をみつけては、成功手前でいつも頓挫、それでも億万長者を夢見る男のおかしな話――。野良パンダや人間たちにいつも冷たくされている清掃ロボットたちの哀感あふれる話――。
 いつの時代でも変らない人間の残酷さと哀しさを意表をつく着想でさりげなく描いたSF傑作集。単行本未収録全十三篇。》

収録作品=愛ゆえに/使命/公園《星》/清掃者たち/進行性躁乱病/子供たちの王国/カオスの兄弟/囚われの宇宙船/愛を告げる時/宇宙人紛失事件/インタビュー/木の町/愛という名の戦略

 

 


田中芳樹『マヴァール年代記1』田中芳樹『マヴァール年代記1』カドカワノベルズ・1988年
《大陸暦1091年2月、「北の雄」マヴァール帝国は隣国と武力抗争の渦中にあった。陣中に、皇帝崩御の報がもたらされた時、総司令官カルマーンは、すでに勝利を手中に収めていたが、追撃を放棄し、帝都オノグール城の父の元へ急行した。帝位を継承するのは誰か?玉座をめぐる混迷が、カルマーン、ヴェンツェル、リドワーンという、かつての学友の再会に“野心”という一匹の竜を介在させた。どんなに豪華な玉座であっても、二つの野心が共存できる広さはないのだ――。
いよいよ開幕、幻想歴史ロマン、マヴァール年代記三部作。》

 

 

 

 

田中芳樹『マヴァール年代記2』田中芳樹『マヴァール年代記2』カドカワノベルズ・1988年
《大陸暦1092年3月、カルマーン大公は皇帝カルマーン二世となり、マヴァール帝国第二十五代皇帝となった。6月、マヴァール軍二十五万は皇帝カルマーン二世の親率のもとに、積年の仇敵エルデイ王国と対ツルナゴーラ統一戦線を結成。カルマーンのツルナゴーラ征服は、その鮮やかさによって近隣諸国を戦慄させた。ツルナゴーラ王国が滅亡、大併合によりマヴァールの領土、二百州。史上空前の版図である。
この年、皇帝カルマーン、金鴉国公ヴェンツェル、黒羊公国世子リドワーン、ともに二十七歳。三者が馬首を並べて同一の敵と戦ったのはツルナゴーラ継承戦役が最後の例となった―。》

 

 

 


田中芳樹『マヴァール年代記3』田中芳樹『マヴァール年代記3』カドカワノベルズ・1989年
《大陸暦1093年3月1日。マヴァール皇帝カルマーン二世は、アデルハイド姫との婚礼の席上、クールラント軍侵攻の報をうけ、急遽、大軍を親率、戦場へ直行した。ウルガール軍との連係作戦を看破し、両軍の不法侵入を撃退、一日にして二国軍を潰滅させた。そして、今また、クールラントに遠征。史上空前の版図に加え、新たな勝利を手中に収めようとしていた。が、ウルガール軍逆襲の報で本国に帰還途中、エルデイ軍の奇襲を受け、大敗をこうむった。これら時機を得た敵襲は一本の謀略の糸で操られていた……。5月19日。リュテッセンの野における、マヴァール帝国の支配権をかけた死戦はたった二人の正面決戦となった――。》

 

 

 


栗城偲『悲しみません、明日までは』栗城偲『悲しみません、明日までは』プラチナ文庫・2015年
《夏休み直前、要の住む小さな町にやって来た優吾。無愛想な彼が胸中に抱える行き場のない悲しみや憤りに、誰にも言えない初恋を抱く要は共感を覚える。優吾の傍は居心地が良かった。けれど彼は、要が長いこと片想いする隣家の「兄ちゃん」の再婚相手の連れ子だった。要の想いを知った優吾に詰られ、嬲るように押し倒される。抵抗する要だったが、やがて自暴自棄になり……。》

 

 

 

 

 


田村隆一『インド酔夢行』田村隆一『インド酔夢行』集英社文庫・1981年
《ナップザックの中には紙パンツと鎌倉八幡宮のお守り。ウィスキーを片手に縦横にインドを旅する詩人が出全うものは、太陽、土、花、水、聖者、そしてコモリン岬の世界で一番美しい夕陽、ヒンドウーの神々……など。永遠と現在の交錯するカオス、B.C.とA.D.が同時に存在する神秘の国インドをめぐる軽妙で深遠な紀行。 解説・吉増剛造》

 

 

 

 

 

 


ブロッホ『未知への痕跡』E・ブロッホ『未知への痕跡』イザラ書房・1969年
《文学の始原を探る
人間存在の根底的考察において、カフカの暗闇に白昼のモティーフを対峙せしめたエルンスト・ブロッホの初期評論・自伝的エッセイ》

 

 

 

 

 

 

 

 


栗城偲『君の隣で見えるもの』栗城偲『君の隣で見えるもの』ディアプラス文庫・2012年
《とある事情で高校を停学になった郁斗は、一足早く迎えた夏休みをひとり母の実家へ送り込まれることになった。電車は少なくコンビニは遠く、訛りのきつい言葉が飛び交う東北の田舎町は、郁斗にとって心細くよるべなき場所。そこで郁斗をあたたかく迎えてくれたのは、一つ年下の広大だった。長身の頼れる男に成長していた従弟に、郁斗はだんだん惹かれていくが……? 優しく切ない、青春エモーショナル・ロマンス♡》

 

 

 

 


ビュトール『仔猿のような芸術家の肖像』ミシェル・ビュトール『仔猿のような芸術家の肖像』筑摩書房・1969年
《■作者のことば■ 作者はまだ学生のころ友人のハンガリー人を介して、厖大な蔵書で有名な南ドイツのある城に招かれそこで数週を過ごすことになる、主人の公爵の身内で、この地方に避難してきた蔵書管理人の伯爵が、そのすばらしいフランス語の知識をいっそう磨きのかかったものにしたいと望んでいたのだ。
 そして時間の中への旅、18世紀は神聖ローマ帝国のたそがれともいうべき、この地方のいくつかの小島でようやくその終焉をむかえようとしている。
 夢の巣箱、昼間の自叙伝風の物語にやがて、東方につきまとわれた夜々の構築が絡み合わされる。
 読者はこの書物の題に、ジェイムズ・ジョイスとディラン・トマスへのオマージュを通して、錬金術師という〈自然の猿〉のようなかつてのあのすぐれた芸術家の中世的表現を認めるであろうし、また読みすすむにしたがってかれの前には、この表題の他のさまざまな相がくりひろげられるであろう。》

 


栗城偲『恋愛モジュール』栗城偲『恋愛モジュール』ディアプラス文庫・2011年
《人付き合いが苦手なプログラミング・オタクの島垣は、ソフトウェア会社に勤めている。一日中パソコンに向かっていられたら幸せなのに、新規プロジェクトのリーダーになってしまった。新しく職場にやってきたSEの藤森は、王子様のような年下のイケメン。明るく人懐こいその男と上手くやっていく自信が島垣にはなかった。だが、一人デスマーチの末に島垣が倒れたことから、二人は急接近し……? IT業界ラブ♡》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊―運命の開戦』荒巻義雄『紺碧の艦隊―運命の開戦』トクマ・ノベルズ・1990年
《ロシアとの日本海海戦で瀕死の重傷を負った高野五十六は、一命を取りとめたものの、実は別の世に生まれ変わっていた。二度と同じ誤ちを繰り返さないために、秘かに精鋭集団“紺碧会”を結成し、クーデターを画策する。照和十六年、首相官邸を襲って新政府を樹立した“紺碧会”は、アメリカ政府に巧妙な罠を仕掛けた。名将高野の采配はいかに? はたして日本に勝算はあるのか? アメリカを震撼させた“紺碧艦隊”のすさまじい破壊力に乞うご期待! 前世経験と最新技術を駆使した“紺碧”シリーズ第一弾!》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊2―帝都初空襲』荒巻義雄『紺碧の艦隊2―帝都初空襲』トクマ・ノベルズ・1991年
《パナマ運河を攻撃し、アメリカの軍事物資輸送船の遮断に成功した“紺碧会”の次なる目標は、パプア・ニューギニア攻略戦である。極秘のうちに東京へ戻った前原一征少将は、高野五十六軍令部総長、大高弥三郎首相と密会し、陸軍をパプア・ニューギニアに向けることを決定した。また捕獲済の米戦艦を改装した“紅玉艦隊”を紅海封鎖に配置する。そして前世のミッドウェー敗戦の遠因となった帝都大空襲に備えて開発したのが、新型局地戦用迎撃機蒼莱である。アメリカを迎え撃つ秘密戦闘機の恐るべき威力に注目せよ!!》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊3―濠州封鎖作戦』荒巻義雄『紺碧の艦隊3―濠州封鎖作戦』トクマ・ノベルズ・1991年
《高野総長より特命を受けた前原一征少将は、秘かにミクロネシアのヤルート島に潜入した。ここには旧友の九鬼鷹常中将率いる海軍特殊師団が駐留していた。ただちに特潜隊を借りて、新たに九〇〇型潜輸で編成された特別輸送船団とともにサモアへ向かった。数日後夜間の奇襲によりサモアはあっけなく陥落し、この報らせを受けた敵将マッカーサーは、驚愕した。「このままでは濠州にも危機が迫る!」。はたして日本はマッカーサーに巧妙な罠を仕掛けた……。そして同時に進行する超丸秘の“富士”計画とはいったい……?》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊4―原爆阻止作戦』荒巻義雄『紺碧の艦隊4―原爆阻止作戦』トクマ・ノベルズ・1991年
《高杉艦隊は、ハワイ~ライン~サモア戦略ライン完成のために、敵地クリスマス島へ接近していた。途中、敵機ムスタングの来襲を一蹴した矢先、特殊仕様B32のデビル・チームに遭遇した。戦艦比叡の活躍で何とか難を逃れたものの、同じ頃、パールハーバーの日本海軍太平洋艦隊根拠地爆撃に成功したB32大編隊が給目のためにクリスマス島に向かっていることがわかり……。ついにアメリカは原爆使用を決定し、本領を発揮しはじめた――それでも日本に勝算はあるのか? 人気沸騰の究極の海戦シミュレーション第4弾!》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊5―空中戦艦富士出撃』荒巻義雄『紺碧の艦隊5―空中戦艦富士出撃』トクマ・ノベルズ・1992年
《照和十九年、大高首相は画期的新戦略を断行した。南樺太をユダヤ人に提供し、“東方エルサレム共和国”を建国させ、アメリカ国内をはじめ世界中のユダヤ勢力を味方につけたのである。しかも対ドイツ戦の劣勢のソ連に、食糧と医薬品の無償援助をするかわりに、ユダヤ系ソ連人の国外脱出を認めさせた。急激な日本の動きに、“影の政府”は驚愕した。ヒトラーを台頭させてヨーロッパに戦争を起こすことを目論んでいたからである。それどころか日本はドイツに宣戦布告した。ついに恐るべき天極作戦が明らかに……。》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊6―風雲マダガスカル』荒巻義雄『紺碧の艦隊6―風雲マダガスカル』トクマ・ノベルズ・1992年
《照和二十年八月十五日、後世世界は前世敗戦日より新たな局面に突入した。巨大化した独逸第三帝国は石油資源の豊富な中東支配を目論んでいた。中東が陥ちれば、必ず印度が狙われ、日英同盟は崩壊――アジアが脅威にさらされる。印度洋西端に位置し、中東、印度、アフリカ東部を威圧できるマダガスカル島獲得こそが、独逸攻略の第一歩である。大胆な戦略で壮大なテーマに挑む急展開の第二部スタート。ヒトラーの恐るべき野望を阻止せよ!! 大改装を終えて増強された紺碧艦隊の驚異的破壊力がいま明らかに……。》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊7―紅海雷撃作戦』荒巻義雄『紺碧の艦隊7―紅海雷撃作戦』トクマ・ノベルズ・1992年
《世界戦略上の重要拠点マダガスカル島は、独逸軍のねばり強い抵抗にあい、依然、陥ちなかった。しかもヒトラーは、その隙にペルシャ湾への進出、さらに印度亜大陸への侵攻を狙っていた。着々と進むヒトラーの全世界征服計画から亜細亜を守るため、大高首相は南樺太開放に続く第二の英断を下した。全亜細亜団結にむけて、敵対する人民中国と中華中国両政権の和平交渉に乗り出したのだ。一方、ヒトラーの魔の手は目前に迫っていた。突如独空軍の誇る超重爆撃機ヨルムンガンドが日本本土に侵入し……。》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊8―海中要塞鳴門出撃』荒巻義雄『紺碧の艦隊8―海中要塞鳴門出撃』トクマ・ノベルズ・1993年
《照和二十一年三月三日――後世は雛祭り。大高首相は高野五十六とともに、無事帰還した前原一征と再会し、ついにパナマ第二運河を完成して再び危険な存在となったアメリカへの対処の仕方を検討していた。そこへ突然、マダガスカル島が陥落したとの朗報が入った。――時局の変化に大高首相の決断は早かった。米大陸西部沿岸に進出する龍宮作戦を発令し、前原を千島列島の宇志知島秘密基地へ派遣した……。日本の誇る驚異の海中移動要塞鳴門とはいったい何か? ますますパワーアップした超人気の〈紺碧〉シリーズ第8弾!》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊9―新憲法発布』荒巻義雄『紺碧の艦隊9―新憲法発布』トクマ・ノベルズ・1993年
《照和二十一年八月末、箱根強羅の静養先から帝都に戻った大高首相は、大胆な政治改革に乗り出した。政党政治の監視役を目的とする賢議院の権限を強め、不正議員に対する告発権、審査権を与えたのだ。同時に、マスコミ各社に議員や公務員の不正の追及を要請し、政治腐敗の阻止に努めた。さらに“開かれた政治”を目指すため、国会議事堂を大改装し、審議中は誰でも見学できるように、何百もの観覧席を設けた。国民の興味を政治に向けさせることに成功した矢先、英国のキィストン・チャーチル元首相の来日が決定し……。》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊10―暗雲印度戦線』荒巻義雄『紺碧の艦隊10―暗雲印度戦線』トクマ・ノベルズ・1993年
《照和二十二年七月、大高首相は、首相官邸で高野軍令部総長、木戸外相と今後の展望について検討した。先に豪州ケアンズで行なわれた秘密会談――アイゼンハワー元帥、マッカーサー元将軍、リーガン元提督の米側三首脳によるクーデター計画を確認。一方、印度洋の情勢は、ますます切迫しており、危機に瀕する紅玉艦隊を支援するため、至急、紺碧艦隊の印度洋への派遣を決定した。ただちに大高首相は印度政府の諒解を取ると、アラビア海のラカディブ諸島の無人島に第二紺碧島建設計画を推進し……。》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊11―電撃ロンメル軍団』荒巻義雄『紺碧の艦隊11―電撃ロンメル軍団』トクマ・ノベルズ・1993年
《照和二十二年八月初頭、前原一征は、デカン要塞の視察を終え、ナグプールからコーチンに向かった。入院中の紅玉艦隊司令長官川崎中将を訪ねた矢先、ついに独逸軍が英国本土上陸作戦を開始した、との報らせが入り、戦局は一気に急展開。一方、不敗の名将ロンメメル率いる装甲機械化軍団も、いっせいに南進を始め、印度戦線に緊張が走る! これを受け、わが紺碧艦隊および紅玉艦隊は、海上よりアーメダバードを防衛するために、全速力で印度西岸を北上し……。かくして、陸海ともに白熱の印度戦線、佳境に突入す!》

 

 

 

 


荒巻義雄『紺碧の艦隊12―日米構和成る』荒巻義雄『紺碧の艦隊12―日米構和成る』トクマ・ノベルズ・1993年
《照和二十二年九月末、大高首相は土地取引所開設三周年を祝う講演会の席上で記念すべき朗報をキャッチした。ついに米国で三将軍クーデターが成功――。日米両国は本格的に停戦、和睦への道を歩むことになったのである。これにより、世界戦局は大転換期を迎え、日米双方の戦力が、すべて独逸第三帝国に向けられた。一方、ヒトラーも戦局の急変に対抗し、印度戦線への新たなる兵力の派遣を決定した。かくしてシーパワー対ランドパワーが正面から激突する日独一大決戦の火蓋が切って落とされた! 急展開の第三部スタート!!》

 

 

 

 

 

 

 


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