【十五句抄出】鈴木滋三句集『微塵』
2014年私家版 『微塵』は鈴木滋三(1932 - )の『初心』(1999)、『未完』(2004)に続く第3句集。 2004年から2013年の446句を収録。...
View Article【十五句抄出】亀割潔句集『斉唱』
2014年ふらんす堂 『斉唱』は亀割潔(1965 - )の第1句集。和田耕三郎の序句、千葉皓史の栞が付く。 亀割潔は「蘭」を経て「OPUS」所属。...
View Article【十五句抄出】川口真理句集『双眸』
2014年青磁社 『双眸』は川口真理(1961 - )の第1句集。 川口真理は「ゆう」「雁坂」、同人誌「雁帛」を経て、現在「港」所属。田中裕明、中嶋鬼谷、大牧広に師事という経歴となり序文を大牧広が、跋を中嶋鬼谷が寄せている。 深い詩性と佳句の多さに一驚。雑踏の中の青空黄水仙戻りたる子どものしづか蛇の衣...
View Article「井泉」第59号(2014年9月)
歌誌「井泉」(編集発行・竹村紀年子)第59号(2014年9月)から。 招待作品は湊圭史の川柳15句「仮説の家」。 リレー評論「現在の批評はどこにあるか」、今号は渡辺玄英、佐藤晶。教科書の表紙の光沢はぬかるみ 湊 圭史半分にすると時計は寂しがる娘からメールの来ない三日間、携帯電話は定位置にある 寺島さなえ工場の様なる工学実験室に可愛いいアニメの寝袋数箇...
View Article「香天」2014年9,10月号
「香天」(編集発行:岡田耕治)2014年9,10月号から。金亀子ところどころを眠りたる 岡田耕治どこからも生まれ台風の波頭電球に照らされてあり秋刀魚の目新しき人が擂り出すとろろ汁 谷川すみれ(特別作品)大花火星の一つが輝きぬ 澤本祐子(特別作品)砂時計のくびれに秋の澄みにけり椅子一つ占めて動かぬ冬の蜂 中村静子(特別作品)尺蠖の枝より太くなりにけり...
View Article「白い部屋」第4号(2014年9月)
「白い部屋」(発行:有住洋子)第4号(2014年9月)から。 杉本徹の詩のほかは、句、文とも全て有住洋子。個人誌らしい。《敷地にと散らばる淡い、そよぎの痕跡を踏むと忘れられた惑星へつづく、裏手の傾斜が誘う。》(杉本徹「ほどかれる、地誌」より) 種蒔いて墓域取り残されてゐる...
View Article「円座」2014年10月号
「円座」(発行:武藤紀子、編集:小川もも子)2014年10月号から。 特集は辻まさ野句集『柿と母』。 今号から関悦史連載「平成の名句集を読む」開始。第1回は高野ムツオ句集『萬の翅』について。夢の中まぬがれがたく鵜の匂ふ 武藤紀子梅の実のほたりと落ちし其処に翳 中田 剛先生と丸太に坐り夏鶯 白石喜久子炎天に一本針のごとく塔 江部幸夫麻酔醒めICUの夜長かな...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part16
今月は後半から(珍しく)多忙と微熱続きで何も読めなくなった。なにかの花粉症らしい。 眉村卓『歳月パラパラ』は、東京堂書店で自筆イラスト&サイン本が入手できた(俳誌「渦」に連載されているものそのままかと思ったら、大部分書下ろしだったらしい)。ついでに先日、世田谷文学館の「日本SF展」最終日にも行ってこられた。...
View Article高橋修宏『MOTHER HOTEL』
2014年草子舎 高橋修宏(1955 - )は俳人として『夷狄』『蜜楼』『虚器』の3冊の句集を持つが、詩人としても『呪景・断章』『夏の影』『水の中の羊』『空の庭+夏の影』『作庭記』と5冊の作品集を持っており、今回の詩集『MOTHER HOTEL』が6冊目となる。 詩誌「草」編集発行人、詩と批評誌「大マゼラン」、俳誌「豈」「風来」同人。...
View Article野村龍『Stock Book』
2014年思潮社 野村龍(のむら・りょう)の詩集『Stock Book』には、作者のプロフィールは載っていない。 栞・野村喜和夫。 《古代魚は水底深く沈んでいく誰もいないバス停が雨に濡れているおやつの時間は切り取られて盗まれた錆びた声が骨の歌にぬぐわれ暦は部屋の隅で腐り始める》(「(古代魚は水底深く……)」)《燃えながら息を吐き尽くして眠りにつこうとする静かな心臓の傍らで濡れた四十雀の魂が...
View Article「鼎座」第16号(2014年9月)
「鼎座」(編集:すずきみのる、発行:岩城久治)第16号(2014年9月)から。天領にこのしろ鮨の伝はりぬ 岩城久治日日花腫瘍も糧を得て育つ 清水貴久彦秋麗胃の腑になにも無きことも すずきみのる *****************************************************Herbie Hancock Headhunters 1974
View Article「秋草」2014年10月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2014年10月号から。一本の道のをはりの古簾 山口昭男初秋のぶあつき水に鯉育つ夏の潮うすき疲れを眠りけり 三輪小春白桃を五つ並べて本堂に 横内正人地酒屋の裏口三つ田草取 宗方やよいとりどりの潜水服や花蘇鉄 久下 範 *****************************************************Joe Lovano,...
View Article「今」2014年秋-第7号
俳句同人誌「今」(編集・保坂敏子、発行・瀧澤和治)2014年秋-第7号から。 巻頭エッセイに中尾政之(東京大学 工学系研究科 教授)。 舘野豊の評論「蛇笏俳句の神話性」を掲載。 特集は前々号、前号に続けて「福田甲子雄」。白堊紀の地層の上に薄紅葉 高石直幸イーゼルの影より暮るる花野かな 原 桐子電車バスおなじ速さに秋の暮割箸の容易く割れて日雷 大隈チサ子鰯雲古墳の口の安穏と...
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