「雷魚」100号(2014年12月)
「雷魚」(編集:寺澤一雄)100号(2014年12月)から。 終刊号である。創刊同人である八田木枯らの没後、100号での終刊が決まっていた。カモノハシ卵を産むと夕端居 寺澤一雄はみ出せるティッシュ雪嶺のかたち 増田陽一若者がこんなに多勢夏の浜 遊佐光子討入の日のジーンズがきつすぎる 太田うさぎ(自選50句から)たましひの目減りおもへり初湯舟...
View Article【十五句抄出】対馬康子句集『竟鳴』
2014年角川学芸出版 『竟鳴』は対馬康子(1953 - )の第4句集。2005年から2014年の367句を収録。この間に著者の父、母、兄嫁が他界。...
View Article【十五首抄出】武藤雅治歌集『鶫』
2014年六花書林 『鶫』は武藤雅治(1951 - )の第5歌集。約7年間の556首を収録。ほぼ未発表。 句集『かみうさぎ』と同時刊行。生卵呑めばつめたく咽喉(のど)をすぎ薄くれないの内臓(はらわた)に落つころしやの異名戒名...
View Article「都市」2014年12月号
「都市」(発行編集:中西夕紀)2014年12月号から。暗がりを子の喜べる月見かな 中西夕紀どこにでもゐる中年や葛引いて床下を来し秋風や奥の院長き夜や野球漫画は一つきり 吉川わる(特別作品)曝書して関羽張飛や風の中 森 有也パイ作り我に命ずる紅玉よ 野川美渦*****************************************************Dream...
View Article「未定」第98号(2014年12月)
第2次「未定」(編集発行:未定編集部=高原耕司)第98号(2014年12月)から。 特集は「書評 断片・天国と地獄の結婚」。田沼泰彦『断片・天国と地獄の結婚』に安井浩司、今泉康弘が書評を寄せている。 他に村田由美子による高原耕司『絶巓のアポリア』評、田辺泰臣「高柳重信と日野草城」等。 見返しの一句鑑賞エッセイ「ともしびや/おびが驚く/おびのはば...
View Article「Es風葬の谷」第28号(2014年11月)
歌誌「Es風葬の谷」(編集発行:加藤英彦)第28号(2014年11月)から。 なお、この雑誌名「Es」の後の部分が毎号異なる。 特集は「和歌の声をきく」。...
View Article「のいず」第2号(2014年12月)
「のいず」(発行:高井楚良・澤田和弥)第2号(2014年12月)から。満州の秋を憶えてゐる遺髪 杉山久子(招待作家)ぢると蝶の焼かれし八月よ 牧田治子正倉院展租税台帳劣化なし炎昼のオランウータ襤褸ごと 林 浩世80度向きを変へたる雨蛙 大西孝徳バスキアの黒は奔放小鳥来る 杉 美春冷蔵庫にいつも梨ゐて父と話す...
View Article「サンカク」(「一角」第3号、2014年11月)
短歌同人誌「サンカク」(編集:土岐友浩)は「一角」の第3号(2014年11月)。3冊目なのでサンカクになったらしい。カーディガン着たあとどこにやったっけ花火はつららだったんだっけ 笠木 拓ずたずたにわたしをできるのはわたし 古書のにおいは光のにおい半身にあなたをしてはいけないね踊り場で手をつないでほどくきみたちはアウトローなんだよこんな日に洗濯したりビールのんだり 谷川由里子夏...
View Article「麻」2014年11月号
「麻」(編集:松浦敬親、発行:嶋田麻紀)2014年11月号から。 松浦敬親が長年『俳壇抄』(マルホ株式会社)に連載していた「禍福」をまとめて転載。「麻」の歴史が辿れる。神在りと歩みくる人天高し 嶋田麻紀噴火して御山の秋を二つにす 松浦敬親空蝉の小さき影を抱きをり 笹本カホル*****************************************************Art...
View Article「ぶるうまりん」29号(2014年12月)
「ぶるうまりん」(編集:ぶるうまりん編集部)29号(2014年12月)から。 特集は「まるかじりインタビュー 渡辺隆夫の世界」(後編)他。空を飛ぶ鯛かもしれぬ街角 山田千里サゲのない落語のように文化の日 普川 洋屋上の象を濡らして梅雨に入る 生駒清治少年は水平線に逆立ち 三堀登美子...
View Article「秋草」2015年1月号
「秋草」(発行編集:山口昭男)2015年1月号から。 《「秋草」五周年に寄せて》を四ッ谷龍、対中いずみ、押野裕が、「平成26年の主宰作品を読む」を岡田由季、黒岩徳将、三輪小春が執筆。 他に第1回「秋草俳句賞」受賞一覧等を掲載(「俳句賞」受賞者は三輪小春)。 秋草五周年歩くたび風におされし千草かな 山口昭男教室の地図の光沢草の花山中を蟹歩みたる寒さかな齧られし胡瓜と父の補聴器と...
View Article「澤」2015年1月号
「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2015年1月号から。 「対談 主宰に訊く」(小澤實・望月とし江)、会員各人が選ぶこの一年の「澤の十二句」を掲載。潮澄んで鏡ヶ浦や手を漬くる 小澤 實茨の実後醍醐の息ひびくなりまつさらな初昔見る見る古ぶ 高橋睦郎(新竪題)木の匂ひせる少年や神の留守 嶋田恵一頭落さず裂きたる鰻焼きにけり 福原桂子伊勢えびや軍艦島は眼前に...
View Article【雑録】このひと月くらいに読んだ本の書影 Part19
今月も熱っぽいやら目が利かなくなるやらで、全く読めない日が多かった。 こうなると内容が易しいかどうかとかは関係がない。 光瀬龍・福島正実・高橋泰邦・今日泊亜蘭・眉村卓『SF未来戦記 全艦発進せよ!』は、表紙だけ見ると好戦的な本にも見えるが、書き手が若い時に戦禍に遭った世代ばかりなので、戦争の虚しさ、やりきれなさ、厭戦気分がしたたり落ちるような本になっている。佐野洋『小説...
View Article【十五句抄出】藤尾州句集『木偶坊』
2014年私家版 『木偶坊』は藤尾州(1948 - )の第1句集。 藤尾州(=小川二三男)は「地表」で小川双々子に師事。2006年の双々子死去により翌年「地表」が解散した後、藤尾州と名を変えて独り句作。2012年から、同じ双々子門下の須藤徹が代表を務めていた「ぶるうまりん」の会友となっている。...
View Article「舞」No.55(2015年新年特別号)
「舞」(編集発行:山西雅子)No.55(2015年新年特別号)から。 去年から新年特別号だけ印刷所での制作となっている。普段は家庭の印刷機で一冊ずつ手作り。お十夜の大蠟燭の肩濡れて 山西雅子銅鏡のごとく海ある干菜かなばつた跳ぶまた跳ぶ暮るる草の中 中村草馬吹倒れ砲火のごとし鶏頭花 吉澤美楯ボヘミアの砂糖箱とぢ秋の声 小川楓子放尿の駱駝の瞼秋高し...
View Article「GA」70号(2015年1月)
「GA(が)」(編集発行:秦夕美)70号(2015年1月)から。 秦夕美の個人誌。70号にちなみ、新作70句。恋人は二日の凪のやうな眸 秦...
View Article「麟」第51号(2015年1月)
「麟」(代表:山下知津子、編集:駒木根淳子)第51号(2015年1月)から。 駒木根淳子による染谷佳之子句集『橋懸り』評ほかを掲載。てのひらに女人のごとき熟柿かな 山下知津子走り根の句碑へ消えゆく冬至粥 染谷佳之子平らなる七反歩なり風の秋 飯野きよ子 いわき市 五句 から海見えぬ堤防そびえ冬鴎 駒木根淳子凩や我の後ろに入る男 野口明子...
View Article「鷹」2015年1月号
「鷹」(発行:小川軽舟)2015年1月号から。 鷹俳句賞(岡本雅洸)、鷹新葉賞(太田明美)、鷹新人賞(砂金祐年)と、新同人の発表あり(目次の部分を広げると大きい活字でずらっと名が並んでいて、これが毎年何かの道場のように見える)。 黒澤あき緒「俳句時評」は現代俳句協会賞特別賞と本賞の、金原まさ子句集『カルナヴァル』と安西篤句集『秋の道』の紹介。 見下ろせる集落淡し落葉焚...
View Article「里」2015年1月号
「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2015年1月号から。 特集は森泉理文句集『春風』について。 まえがきによると上田信治句集が準備中らしい。大北風の温泉施設は徒歩三分 森泉理文(特別作品20句から)教会からこぼれ菊入りのごみ袋伐られたる木の燃えてゐる焚火かな 堀下 翔(石田波郷新人賞受賞記念20句から)水仙にとなりあふ茶の咲きにけり開戦日ありしゆゑかの敗戦日...
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